「PPAP」での大ブレークが記憶に新しい、ピコ太郎。常に世界を驚かせ続けるエンターテイナーが次に向かうフィールドは“アニメ”。
テレビアニメ化決定の一報を受けたときのことを、プロデューサーの古坂大魔王は、「やっとキタァ!」と、あたかも自らが出演するかの如く喜んだと語る。
本作の監督は、独自性溢れる世界観が魅力の谷口崇。アニメの方向性を決めるため、谷口と対面した古坂は、好青年風な見た目の裏に隠された谷口の奇人ぶりを垣間見て、共に制作をしていくパートナーとして確信が持てたという。
作品創りの方向性を決める会議の中で、古坂はプロデューサーとして、自らのイメージを元に様々なアイデアを打ち出していく。そうした中、古坂の提案により、ある2つのルールに基づいて制作を行うことが確定した。
1つ目は、通常のアニメ制作に用いる方法とは逆に、先に声を収録してから絵を付けるという“プレスコ”という手法で制作すること。
そして2つ目は、アニメ界の常識を覆す、台本なしの“アドリブ収録”。
谷口監督が描き下ろした1枚のラフイラストから、その日その場でインスピレーションを得たピコ太郎が、収録ブースに入り、即興で3分間のストーリーを創り上げる。勿論、登場する全てのキャラクターを演じるのはピコ太郎だ。
極めて異例とも言える手法だが、そうした背景について古坂は、「PPAPも他の曲も、何よりインスピレーションを大事にして作ったので、アニメでもそれをやりたかった。」と語った。
制作のスタイルから“ピコ太郎らしさ”についてこだわり抜く熱い姿勢を見せた古坂。
次回、「制作レポートその2」では、ビジュアルや音楽についての裏側が明かされる。