WALL_alternative | Art_Music_Culture & Bar

すごい指:フィンガーメイド時代のピクチャープレーン

2026/06/03 Wed - 2026/06/23 Tue
EXHIBITION
UPCOMING
会場 : WALL_alternative

このたびWALL_alternativeでは、2026年6月3日(水)から6月23日(火)まで、アーティスト・布施琳太郎によるキュレーション企画「すごい指:フィンガーメイド時代のピクチャープレーン Awesome Fingers : Picture Planes from the Fingermade Era」を開催いたします。

本展では、「指」をキーワードに、現代社会を形づくるテクノロジーや身体感覚を再考する作品群を紹介します。会場には、絵画、写真、映像作品に加え、国内外のミュージックビデオも並び、ジャンルを横断した体験を通して、私たちの感覚やコミュニケーションの変化を多角的に捉えます。
タッチスクリーンやトラックパッドに触れる「指先の動き」は、日々のコミュニケーションや思考、欲望、さらには社会との接続のあり方そのものを変化させています。本展覧会は、そうした現代社会を形づくるテクノロジーについて、「指」に着目したさまざまな芸術作品を通して考察する実験的な試みです。

キュレーションを手がける布施琳太郎は、現代のテクノロジー環境における創作活動が、手ではなく指先の動きによってなされていることに着目しています。今日の表現者たちは絵画、音楽、映像、写真、執筆などを、ひとつの画面を通じて生み出しているのです。しかしそれは個人的で身体的な行為が、巨大なテクノロジーシステムに絡め取られていくことも意味します。本展には、指先に集約される表現の時代のなかを生きながら、それでも自分なりの表現を模索し続けるアーティストがキュレーションされました。

布施は、スマートフォン以後の都市における「孤独」や「二人であること」をテーマに、作品制作だけでなく執筆活動やキュレーションによってアートシーンへの批評的な介入までを展開。近年では、ルーブル・アブダビ、国立西洋美術館、金沢21世紀美術館、各地の国際芸術祭など国内外で作品を発表しています。自身によるキュレーション企画は、昨年葛西臨海公園を舞台に実施されたツアー式展覧会『パビリオン・ゼロ』以来、1年ぶりとなります。
出展アーティストには、小林健太、田中勘太郎、中西伶、米澤柊が参加します。

また会場では愛してる.com(大森靖子/2016年)をはじめ、現代的な身体感覚やインターネット以後の視覚文化を象徴する国内外のミュージックビデオも複数上映予定です。

展覧会初日の6月3日(水)には、オープニングレセプションを開催しアーティストも在廊予定です。また、6月13日(土)には、MEET YOUR ART公開収録形式で、布施琳太郎がモデレーターを務める出展アーティストとのトークイベントを開催します。(申込はこちら:https://forms.gle/WYAXtN6QGEw1CX156

なお本展は、六本木〜西麻布のナイトカルチャーの文脈から、メディアアートの可能性を再接続する年4回の連続企画 「MEDIA ART CIRCUIT 2026」 の公式プログラムとして実施されています。
併設のバーでは、本展出展アーティストに共通するコミュニティのあり方に着想を得てセレクトした、山梨のワイナリー『PINO COLLINA』のワインを会期限定でお楽しみいただけます。

土地との関係性や、鶴岡でコミュニティを大切に育むその姿勢に共鳴したセレクションです。
※また、WALL_alternativeから徒歩10分に位置するSnowContemporaryでは布施琳太郎 個展「タイムトラベラーのための展覧会」も開催しています。併せて是非お楽しみください。

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本展の目的は「フィンガーメイド」という独自概念を、芸術作品を通じて立体的に示すことである。会場に並ぶのはアーティストたちの新作群と、この10年でつくられたミュージックビデオだ。それらは手と指のあいだを、肉体とテクノロジーのあいだを、悩みながらも生き抜き、つくり続けてきた成果である。
タッチスクリーンは、モノづくりからコンテンツ消費までを、タップやスワイプといった指先の動きへと収束させてきた。本展は、その閉塞したサイクルを視覚化し批判するのではなく、自由な指先のあり方を示そうとする。

このキュレーションは、同時代の表現をジャンル横断的に並べるだけの試みではない。18世紀以降のロマン主義が、絵画、音楽、文学、演劇、政治、宗教を横断してひとつの感性の変化を生み出したように、本展は、現代における身体とテクノロジーの変化を複数の表現を通じて捉え直す。ただし、かつてのロマン主義がやがてナショナリズムと結びついていったことを忘れることはできない。フィンガーメイドの時代もまた、個人の感性や自由を強調しながら、巨大なシステムや集団的な欲望へと回収されていく危うさを抱えている。

これは「現代」についての展覧会だ。現代について考え、感じ直すために、2010年代が準備したものを無視することはできない。スマートフォンが流通し、ソーシャルメディアの影響力が拡大し、ノートパソコンでなんでもつくれるようになった。そして仕事も教育も政治活動も恋愛も、指先でなされるようになった。そうした近過去と、ロマン主義的な横断性の再来とのあいだから、芸術作品の現在地を認識すること。そのための蝶番として、フィンガーメイドを位置付けたい。

ハンドメイドに対比して着想されたフィンガーメイド、つまり手ではなく指でつくるという概念については、今年三月に発表された批評「フィンガーメイド時代の芸術作品」(雑誌『ゲンロンy』収録)で詳しく論じた。しかしそこには、同時代の日本の、つまり身近なアーティストたちからの触発について充分に書くことができなかった。本展のキュレーションのねらいは、そうした不足を補うだけでなく、タッチスクリーンを踏まえながら、その外側へとつながる指による表現を集めることである。

本展が試みるのは、タッチスクリーンやトラックパッドに触れる指先の自由を、プラットフォームによって提供されるデバイスやサービスではなく、芸術作品を通じて拡張することである。私たちの指にはもっと色々なことができる。指先の自由を制作することは、現代を受け入れるだけではなく、大きな力に流されるだけでもなく、世界を感じ、疑い、思考し続けるための足場となる。
そのために『すごい指』を開催する。

布施琳太郎

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◾️出展アーティストについて
小林健太

1992年、神奈川県川崎市生まれ。2015年、東京造形大学絵画専攻を卒業。現在、東
京を拠点に活動中。2015年から現在に至るまで、現代写真/現代アートの領域で、
数多くの国内外のグループ展・個展に参加。
主な個展に「#copycat」WAITINGROOM(東京、2025年)、「THE PAST
EXISTS」三越コンテンポラリーギャラリー(東京、2022年)、主なグループ展に
「COMING OF AGE」フォンダシオン ルイ・ヴィトン(パリ、2022年)、 「ハロ
ー・ワールド」水戸芸術館(水戸、2018年)など。2019年には、マーク・ウェストン
率いるダンヒルとのコラボレーション、 また、ヴァージル・アブロー率いるルイ・
ヴィトンのキャンペーンを手がける。

田中勘太郎


1989年東京都出身。東京藝術大学大学院先端芸術表現修了。ゲームや映画などをもとにフィールドワークを行い、そこで採取したモチーフから映像や音、オブジェ、ドローイングなど多様なメディアに発展させ、それらを用いたインスタレーションを主に制作。東京北区でアーティストランスペース「JUNGLE GYM」を立ち上げ、運営を行う。

主な展示に、「150年」(東池袋,企画・運営・監督,2025)、「デス・デストロイヤー・ディストラクション」(元映画館、2023)、「ghost below overwrite」(デカメロン、2023)、「5年をとる筏、trailer」(JUNGLE GYM、2022)、「惑星ザムザ」(牛込神楽坂、2022)など。

中西伶

1994年 三重県生まれ。2016年に渡米し、山口歴のアシスタントとして作品制作に携わる。
2019年に帰国後
静岡県を拠点に、国内外にて展示発表を続ける。
従来の絵画の制作方法にプリンティングを組み合わせたアプローチで作品を制作する。
近作では、グラフィックのほか、3Dモデリング、AI、NFTなどの技術を掛け合わせながら時代の動
きによって変化し続ける価値について問い、制作を通して表現の本質を模索している。
米澤柊
東京生まれ。アーティスト、アニメーター。現在のデジタルアニメーションにおけるキャラクターの 身体性と現実空間の生き物が持っている心の身体性と感情について、またそれらアニメーション が生きる空間の空気を制作している。主な個展に、2025年「泳ぐ目たち」(SNOW Contemporary、東京)、「光の傷」(La Main、パリ)など、主な展覧会企画、キュレーションに2024年「Anima in the fog」(Wall_alternative、東京)など。

米澤柊

東京生まれ。アーティスト、アニメーター。現在のデジタルアニメーションにおけるキャラクターの 身体性と現実空間の生き物が持っている心の身体性と感情について、またそれらアニメーション が生きる空間の空気を制作している。主な個展に、2025年「泳ぐ目たち」(SNOW Contemporary、東京)、「光の傷」(La Main、パリ)など、主な展覧会企画、キュレーションに2024年「Anima in the fog」(Wall_alternative、東京)など。

布施琳太郎


アーティスト。スマートフォンの発売以降の都市における「孤独」や「二人であること」の回復に向けて、自ら手がけた詩やテクストを起点に、絵画や映像作品、ウェブサイトの制作、展覧会のキュレーション、出版などを行っている。
主な活動としてプロジェクト「パビリオン・ゼロ」(2025/葛西臨海公園、コスモプラネタリウム渋谷など)、個展「新しい死体」(2022/PARCO Museum Tokyo)、キュレーション展「惑星ザムザ」(2022/小高製本工業跡地)、ひとりずつしかアクセスできないウェブページを会場とした展覧会「隔離式濃厚接触室」(2020)など。著書として『ラブレターの書き方』(2023/晶文社)、詩集『涙のカタログ』(2023/パルコ出版)。


◾️上映作品について
本展では、絵画や写真作品に加え、国内外のミュージックビデオ作品も上映予定です。大型モニターやモバイルデバイスなど、それぞれの作品に応じた形式で展示を行います。

Still Life (Betamale) / Oneohtrix Point Never(2014)
愛してる.com / 大森靖子(2016)
hikari feat. Hakushi Hasegawa / パソコン音楽クラブ(2019 / 2025)
Hamidasumo! (Heaven&Hell Remix) / ゆるめるモ!(2015)


【OPENING RECEPTION】
日程:2026年6月3日(水)
時間:18:00-21:00
※21時以降は通常営業
※事前申込制/入場無料
会場:WALL_alternative(東京都港区西麻布4-2-4 1F)
お申し込みURL:https://forms.gle/mHbhyAdrB1Wf6GHc7


【TALK SESSION】
布施がモデレーターを務める出展アーティストとのトークイベントを開催いたします。
日程:2026年6月13日(土)
時間:18:00-19:30
※19時30分以降は通常営業
※事前申込・抽選制/入場無料
登壇者:布施琳太郎、中西伶、他調整中
会場:WALL_alternative(東京都港区西麻布4-2-4 1F)
お申し込みURL:https://forms.gle/WYAXtN6QGEw1CX156
※MEET YOUR ART公開収録での撮影となります。
※抽選結果は6月8日(月)に当選者のみにお知らせいたします。
なお、結果に関するお問い合わせはご遠慮下さい。
その他お問い合わせは wall@av.avex.co.jp へご連絡ください。


展示概要
「すごい指:フィンガーメイド時代のピクチャープレーン」
会期: 2026年6月3日(水)〜6月23日(火)
※日曜定休
時間:18:00-24:00
会場:WALL_alternative(東京都港区西麻布4-2-4 1F)
入場:無料・予約不要
HP URL:https://avex.jp/wall/exhibition/831/
企画・主催:WALL_alternative
グラフィックデザイン:八木弊二郎
助成:アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】

【同時開催展示】
布施琳太郎 個展「タイムトラベラーのための展覧会」
会期:〜2026年7月4日(土) 13:00 – 19:00
※日・月・火・祝日は休廊
会場:SNOW Contemporary (東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404)
http://snowcontemporary.com/exhibition/current.html

 

■「MEDIA ART CIRCUIT 2026」概要
「MEDIA ART CIRCUIT 2026」は、西麻布のアートスペース「WALL_alternative」を拠点に、六本木〜西麻布のナイトカルチャーの文脈から、メディアアートの可能性を再接続する年4回の連続企画です。1980〜90年代のクラブカルチャーに根付いていた音楽・映像・光・身体表現の融合を起点に、現代のメディアアーティスト、音楽家、エンジニアとともに展示・音楽・トークを複合的に展開。都市回遊型のサーキットを通じて、新たな表現の実験と文化の継承を目指します