辻井伸行

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2022年10月27、28、31日

スペイン ビルバオ

スペインは昔マヨルカ島に行った事はありますが、その時以来のスペインです。初めて訪れる街、ビルバオに行ってきました。有名なグッゲンハイム美術館がある街です。泊まったホテルはまるで公園の中に滞在しているような静かで穏やかな雰囲気のなかにあり、窓からは美しく近代的なビルバオの街並みを望むことが出来ました。

ビルバオ交響楽団とも、また指揮者のエリック・ニールセンさんとも初共演です。通常オーケストラとリハーサル前に指揮者さんと打合せをするのですが、ここで想定外のことが起きました。練習後に指揮者さんとの打ち合わせがある事と、練習場にはコンサートで弾くピアノを選ぶためにピアノが2台用意されているとだけ聞いていたのですが、練習会場に着くとそこにはニールセンさんがいらっしゃって、「何時から打合せする?今からでもいいよ」と仰います。そこで時間も勿体ないので直ぐに打合せをしようという事になりました。リヴァプールの演奏会後一切ピアノに触っていなかったので、事前に少し指慣らしをしたかったのですが、ニールセンさんはもう一台のピアノに座ってオーケストラのスコアを見ながら伴奏してくださり、結局二人で全曲演奏して楽しく「打合せ」を終える事が出来ました。

翌日はオーケストラとのリハーサル。皆さん明るく陽気な方が多いように感じられました。気軽に"Hola"とあいさつされるとこちらもつい"Hola"と返してしまいます。ビルバオ滞在中は街中どこからでもこの挨拶が聞こえてきました。知らない人とも気さくに挨拶を交わす習慣の中にいると、なんだか安心できます。

コンサートは大きな会場でしたがとても良い音響でした。オーケストラの響きも素晴らしく、楽しく演奏する事が出来ました。お客様からは大変大きな拍手と歓声をいただき、海外で演奏してる実感が湧いてきます。27日のアンコールではワーグナー/リストの《エルザの大聖堂への行列》を、28日のアンコールではカプースチンの8つの演奏会用エチュードから《前奏曲》とショパンの遺作のノクターンを演奏しました。

オーケストラとの共演後2日間の間を空けて、ビルバオでソロ・リサイタルも行いました。

今回初めて勉強したリストの《ヴェネチアとナポリ》を含むプログラムをお客様の前で弾くのはこのリサイタルが初めてです。このプログラムですが、カプースチンのエチュードも含めるとなかなかボリュームのあるプログラムという事に改めて気付いてしまいました。演奏終了後は普段以上に汗だくとなりましたが、その熱気をお客様も感じていただけたのか、リサイタルでも大変暖かく盛大な拍手をいただきました。アンコールではドビュッシーの《月の光》とリストの《ラ・カンパネラ》を演奏しました。

ビルバオは食事が大変美味しく、毎食毎食色々なレストランでとても美味しい食事を楽しみました。バスク料理、最高です!また再訪できる日を心待ちにしています!