2022年 8月16日
アメリカ ロサンゼルス
2022年 8月16日
アメリカ ロサンゼルス
ヨーロッパを後にして、アメリカ西海岸、ロサンゼルスでの公演です。アメリカの公演もコロナの影響を大きく受けました。そのような中、2019年以来ほぼ3年ぶりに訪れる事が出来ました。ヨーロッパから12時間飛んで待っていたのは長~い入国審査の列!2時間以上列に並びました。多くの人が旅行に出かけられる世の中に戻ってきたと実感したのですが、何度もアメリカには行きましたが、ここまでの行列は初めてでした。
今回のコンサートはロサンゼルス・フィルが野外音楽堂で世界的に有名なハリウッド・ボウルで行う演奏会でした。本来は2017年にシドニーでも共演した指揮者のブラムウェル・トーヴェイさんと演奏する予定でしたが、残念ながら7月に急逝され、代わりにルイ・ラングレさんの指揮でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏しました。
会場のハリウッドボウルはとにかく広い!17,000席以上もあるとの事で、その広さや響きを体感してみようと、客席の階段を随分と上ったところでリハーサルを聞いたのですが、それでもまだ半分より前だったとの事です。演奏の音はスピーカーを通して流れる為、後ろの方で聞いていても細部までハッキリと聞き取れます。この日担当されたエンジニアさんはグラミー賞を受賞されたほどの経歴を持つ方だったそうで、スピーカーから流れる音も、とても自然な響きながらも、CDを聞いているかのような明瞭さ。丁度夕日が山影に沈み、少し気温も下がったところで、心地よい風が吹く中、鳥の鳴き声を聞きながら気分よくリハーサルを聞く事が出来ました。
演奏会当日は沢山のお客様にお越し頂きました。開演前に座席で食事をしたりお酒を飲んだり、皆さんリラックスされていた様子が良く伝わりました。演奏が終わっていただいた拍手や歓声も物凄い迫力でとても嬉しかったです。アンコールではリストの《ラ・カンパネラ》とカプースチンの8つの演奏会用エチュードから第1番《前奏曲》の2曲を演奏しました。
ヨーロッパとは雰囲気の異なるアメリカですが、ロサンゼルスは大都市という事もあり、聞こえてくる音や人々の声も色々で、沢山の人や車が街の中を行きかっていると感じました。ハリウッド・ボウルの入口の看板前では今回お世話になった運転手さんと記念撮影。とにかく明るくて前向きな方で沢山のパワーをいただきました!活気のあるこの街にまた近いうちに戻って来られると良いなと思っています。
共演予定だったトーヴェイさんには、今回の演奏会をはじめ、様々な演奏会にお声掛けいただいていました。いつも私の事を気にかけてくださっていたト―ヴェイさんに感謝の気持ちでいっぱいです。
ブラムウェル・ト―ヴェイ氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。