辻井伸行

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2019年9月10日

ブカレスト

2019年9月10日

ブカレスト

ルーマニアでの初めての演奏会は、ブカレストです。ルーマニア国立ユースオーケストラ、ミヒャエル・ザンデルリンクさんとの共演です。ザンデルリンクさんとは2回目の共演。前回は2016年ですから3年半ぶりの再会となりました。前回の共演はラフマニノフの協奏曲第3番でしたが、今回は2番。前回の共演もよく覚えていてくださり、「次回は1番やって、その次は4番だね」とユーモア溢れるお人柄は変わらずで、楽しい気持ちでリハーサルに臨めました。

オーケストラのユース・オーケストラは団員が18歳~28歳の間とあって、皆さんとても明るい雰囲気が伝わってきました。リハーサルの後は皆さんから長い拍手を戴き、大変うれしかったです。オーケストラの団員に選ばれるには非常に厳しいオーディションがあるとの事ですが、難関をくぐってきた先鋭という感じが伝わります。大変レベルの高いオーケストラで、皆さんに導かれて、心地よく演奏出来ました。

ホールは先日お伝えした通り、大変広い会場で、壁や床は布や絨毯が敷き詰められているので音が吸収されがちです。更にお客様が入ったらどうなるかと思いましたが、リハーサルでバランスを入念に確認し、本番では上手く共演できたのではないかと感じました。お客様からも沢山の拍手を戴き、ルーマニア発の演奏会は楽しく終える事が出来ました。

アンコールにはドビュッシーの《月の光》とショパンの《革命》を演奏しました。

終演後はここでもサプライズ!この音楽祭の Artisitic Director を務めるウラディーミル・ユロフスキさんが楽屋にお見えになりました!まさか会場で聞いていらしたとは!ユロフスキさんとは2年前のロンドン・フィルとの日本ツアーでもラフマニノフの協奏曲第2番を共演しましたが、その時から成長していなくてはなりません。ユロフスキさんには暖かい口調で、今日の演奏を褒めて頂きました。特にアンコールのショパンが良かったと仰っていただきました(少しホッとしました)。また、いつの日かユロフスキさんとも共演できる日が来ることを楽しみにしています。