Before Meaning / 原風景
今回出展する作家は、自分にとって「写真」っていうものが何なのか、生成AIの時代にもう一度確かめたくて選んだ。
最初に考えたのは児嶋くん。彼は言霊や言葉と、写真やAR表現をずっと結びつけて作品を作ってきた。言語とイメージの関係。そして、イメージがただの平面的な体験じゃなくて、ARや動画みたいに動的なものとして存在すること。そこが気になっている。
瀬口くんは写真家じゃない。でも短歌を通じて、テクスチャーや編集について考えている。短歌には写生っていうものがあるけど、彼がやってるのはそれとはちょっと違う。言語的な操作と写真的な操作が、同じキーワードによって架橋されるのは興味深い。
齋藤くんと藤江は、どっちもネットカルチャーとストリートカルチャーに接続してるように見える。でも方向が逆なんだよね。藤江はグラフィティやスケートなど物理的なストリートに開いてて、一方ではネット上での発表に関しては割と閉じてる。齋藤くんの作品はAIで作られた「個」を感じさせるイメージ。一方でTikTokのフィードを作品発表の舞台にしてて、現代のネットカルチャーに対して開かれてる。
イカちゃんの作品がどんなものが出てくるかは、今のところ未知数。でも彼女の作品にある呪術的な空気がすごく魅力的で、それは「写真」が持ってる要素としてすごく大事なものだと思う。
それらをまとめる自分の表現がどうなるかは、まだわからない。ただ、自分の制作でも人間関係でも、領域を横断すること、境界が溶けていくようなこと——そういうのはずっとテーマとしてある気がする。#smudgeから引き継いできた多次元的な感覚を、どうしたら人間関係に活かせるのか。
AIが意味を過剰に生成していく時代に僕たちはどうすればいいのか。その作法なのか、行動なのか、コミュニケーションなのか。まだ名前はつけられないけど、そういうヒントがこの5人とのあいだにあるんじゃないかと思って、展示を設計している。
2026/07/08 小林健太