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ライバー事務所の社長やライブ配信プラットフォームの内部関係者など、ライブ配信業界のトップを走る方々に「ライブ配信業界のこれから」を語っていただく本連載。
第3回目に出演いただくゲストは、ライバー事務所「321.inc」のファウンダーであるゆうこすさん。自身もライブ配信によって人生が変わった経験を持つ彼女が、ライブ配信業界の未来をどう捉えているのか聞いてきました。
LIVER TANKENTAI 編集部
ライブ配信との出会いについて教えてください。
ゆうこす
以前お世話になっていた事務所経由で知りました。ファンの方とコミュニケーションを取りながら、収入にも繋げられる画期的な構造に衝撃を受けたことを今でもよく覚えています。
LIVER TANKENTAI 編集部
当時はまだ「ライブ配信=アイドルとファンを繋ぐツール」のようなイメージがありましたよね。
ゆうこす
おっしゃる通り圧倒的にユーザー層に偏りがありましたし、配信者側も趣旨を把握できておらずリスナーさんとのコミュニケーションが希薄な一方通行のコンテンツがほとんど。成熟していないその状況がチャンスだと感じ、本格的に参入したんです。
LIVER TANKENTAI 編集部
その頃に比べるとかなりライブ配信は進化したと言えます。
ゆうこす
視聴者人口の拡大に伴い、プラットフォームも増えて市場的な広がりが見受けられます。ユーザー視点からすると「選ぶ楽しみ」があるのは何より嬉しいことですよね。選択肢の数だけ、自分にマッチしたサービスを試すことができるので。
LIVER TANKENTAI 編集部
ライブ配信業界が発展したことによる影響にはどのようなものがありますか?
ゆうこす
これまでは企業に属して稼ぐことが一般的でしたが、ひとりひとりにファンができることで個人が輝ける時代になったと思います。InstagramやYouTubeよりも参入障壁が低く、収益化までのスパンが短いことがライブ配信の最も特徴的な部分です。
LIVER TANKENTAI 編集部
一般人感覚だと自分に「ファンができる」のは少しイメージしづらいです。
ゆうこす
確かに!私はもともとアイドルをしていた経験から自分にファンがついてくださることに違和感はあまりないですが、全員がその感覚を持ち合わせているわけではないですもんね。
LIVER TANKENTAI 編集部
一般人がライブ配信を身近なものとして捉えるためには、どうすればいいでしょうか?
ゆうこす
ライブ配信はあくまで選択肢のひとつで、それぞれ向き不向きはあると思っていて。加えて、ライバーの中にもグラデーションが存在していて、職業としてライバーを目指す人もいれば副業的にやる人もいる。
自分の目的にあった活用の仕方でいいし、そもそもライブ配信をやったことがない人に対して身近に感じてもらうことは難しいので、まずはアプリをダウンロードして触ってみていただきたいと私ならお伝えします。
LIVER TANKENTAI 編集部
次は321.incについてお伺いさせてください。どういった経緯で立ち上げに至ったんですか?
ゆうこす
321.incを始める前にKOSライバー部という、名前のまんま部活的な感じでライバーを集めてマネジメントをしていたことがあるのですが、ライバーが職業として認められるためには会社としてきちんとした組織を作ったりプロモーションをかける必要性を感じて立ち上げました。
LIVER TANKENTAI 編集部
由来はありますか?
ゆうこす
ひと目で覚えられるかどうかと、ロゴにしたときの可愛さにこだわりました。また何かを始めるときのドキドキ感やワクワク感を「321」で表現しています。映画やテレビ番組が始まる時って、大体3,2,1スタート!っていうじゃないですか?それです(笑)!
LIVER TANKENTAI 編集部
御社のアピールポイントや特徴について簡単にご紹介いただきたいです。
ゆうこす
まず、全てのライバーさんに担当マネージャーが付きます。ライバーさんがより活躍できるためにマネージャー陣も日々勉強中です。週に1度の定例会を継続して行ってきたことで、配信に関する知見やノウハウも増えてきました。
また、オリジナルグッズを制作したり、所属ライバーさん同士が交流できるイベントなどもあります。
LIVER TANKENTAI 編集部
ライバーさんへのサポート体制がとても充実していますね。
ゆうこす
所属ライバーさんの満足度をあげることにはかなりこだわっています。今後は一定の条件をクリアしたライバーさんに「ライバー認定証」を作って配布する予定です。「ライバー=職業」であることを証明できる免許証や名刺がわりになるものが広まれば世の中の見方も変わる気がしていて。
LIVER TANKENTAI 編集部
それはめちゃくちゃ素晴らしい取り組みですね!!!
ゆうこす
インフルエンサーやYoutuberも以前はそうであったように、新しい職業は世間に認められるまでちょっぴり胡散臭いと思われる時期があって、ライブ配信はまさに今そのフェーズ。ライバーさんの社会的地位向上が直近のキープロジェクトです。
LIVER TANKENTAI 編集部
「#ライブ配信の教科書」を出版されたことも関連がありそうです。
ゆうこす
そうなんです!私はライブ配信黎明期からライバーとしてライブコマースやPR案件など様々な取り組みに携わってきました。そんな私だからこそ発信できる内容があるし、私の活動で少しでも世間の目が変わればと思い、書籍出版に至りました。
LIVER TANKENTAI 編集部
たくさんある媒体の中で書籍を選んだ理由はあるのでしょうか?
ゆうこす
以前、Instagramのフォロワーが6万人くらいだった頃にも出版経験があるのですが、それを機に依頼される案件のクオリティが上がったり、私の存在にオフィシャル感が出たんです。書籍におけるメディアとして信憑性を強く感じ、世に出すなら書籍しかないと感じました。
LIVER TANKENTAI 編集部
ライバーさんの悩みに共通点はありますか?たくさんのライバーさんと関わってきたゆうこすさんだからこそ感じることがあれば、是非お伺いしたいです。
ゆうこす
お金をもらうことに対して抵抗のあるライバーさんは多いです。でも、それはリスナー心理の根本に気づけていない証拠だと思っていて。
LIVER TANKENTAI 編集部
どういうことでしょうか?
ゆうこす
リスナーさんは自分と属性が近い人に課金する傾向があるのですが、それはライバーのことを自分の分身だと考え、応援しているライバーが活躍すると自分が肯定された気持ちになるからなんです。システム的に課金を強制されているわけではないのに自ら課金する心理はそこにあるのでは?と予想しております。
LIVER TANKENTAI 編集部
なるほど…。分身ですか。
ゆうこす
また、配信中に何を話せばいいか分からないという相談もよくあります。そう感じる人はまず背景を工夫してみてはいかがでしょうか?
壁に好きな絵を飾るでもいいし、好きな漫画のポスターが貼ってあるだけでもOKで、リスナーさんに対して画面上にツッコミどころを用意してあげるといいと思います。リスナーさんがコミュニケーションを取りやすく感じるような配信環境作りも配信の基礎として重要だと感じています。
LIVER TANKENTAI 編集部
確かに見る側からすると分かりやすいタッチポイントがあるのは嬉しいです。
ゆうこす
配信環境関連で言うと、ライティングはマストです。顔がよく見えないと表情がわかりづらくて、リスナーさんも何を話していいのかわからない。
1000円程度で購入できますし、リングライト等は必須アイテム!圧倒的に見栄えが変わるので、ぜひ導入していただきたいですね。
LIVER TANKENTAI 編集部
他のツールと比べたときに、ライブ配信ならではの魅力はどういった部分にあると考えていますか?
ゆうこす
YouTubeやInstagramみたいに編集ができないので、圧倒的に感情が伝わりやすいです。ありのままの自分を表現することでコアな関係が築けますし、その分エンゲージメントも高い。また、収入に到るまでのハードルの低さも魅力のひとつです。
LIVER TANKENTAI 編集部
なるほど。
ゆうこす
とはいえ、誰でもすぐに成果につながるわけではありません。だからこそ、どんなにうまくいかなくても3ヶ月は続けてほしいです。すぐに辞めてしまうライバーさんも多いのですが、本当にもったいない。
毎日継続して配信することで、少しずつファン獲得や収入向上につながりますし、成果が出るまで諦めずにサポートしてくれるマネージャー陣も揃っているので、信じて続けていただきたいですね。
LIVER TANKENTAI 編集部
これからライバーになりたい人に向けて一言お願いします。
ゆうこす
「なりたい」と思った今がチャンスです!わからない事や不安な部分はたくさんあると思いますが、私は率先して失敗したり恥をかいた人こそ結果的に勝利を掴むことができると信じています。
321.incでは充実したサポートでライバーとして活躍するお手伝いをさせていただくので、興味がある人はお待ちしてます♡
世間的なライバーの認知度はまだまだ低く、胡散臭いものとして捉えられているのも事実だろう。
その課題と向き合い、改善するための施策を積極的に打ち出し続けるゆうこすさんと321.incの取り組みから今後も目が離せません!
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