アンコール1曲目は「if...」。しっとりとしたこの曲は、そろそろ秋の気配を感じ始めたこの季節にマッチする名曲。
 ISSAの「アンコールありがとう!」の声に答える客席。そこに男性が多いことに気付き、SHINOBUが「男性の皆さん、yeah!」と呼び掛ける。そして帰ってきた声に喜ぶ四人。
 そして「LOOSE LIFE」へ。最後には観客と一緒に大合唱。そしてISSAのバック転で曲が終わると、みんな床へと倒れ込んだ。気持ちのよい脱力感なのだろう。メンバーの表情が緩む。

「スミからスミまで最後まで盛り上がってくれてありがとう!!」とISSA。
「ボブ・マーリィの言葉でいうと"POSITIVE VIVRATION"って感じ。これからもこうやって続けていこうよ」とKEN。
「感謝の気持ちと、この日がみんなの胸の中に良い思い出として残っていますように、この曲を聞いて下さい。」
 アンコールのラストの曲は「ONE LOVE」。

 そしてバンドとダンサーをステージ前に迎えて、一人ひとりを紹介。そして、マイクを通さないでも会場全体に聞こえた、ISSAの「ありがとうございました!」の声に併せて全員で客席に向かって一礼。

 どうしても来てしまう別れの時。ステージを去ることが惜しくてしかたがないのか、何度もステージを振り返る四人。そしてやはりまだ時間を共有していたい観客が呼び止めるようにアンコールをする。すると、それに応えて嬉しそうにステージへと戻る四人。  ここからは全くの予定外。ハプニング。誰もがこの後の展開を予想できない。

「バンドのみんな、出て来れるかな??」
 ISSAのかけ声に待ってましたとばかりに飛び出してくるバンドメンバー。全くのぶっつけ本番で「From Summer Time...it's All Right...」を演奏。こんな離れ業ができるのも、ファーストツアーからずっと一緒にやってきたメンバーがほとんどのバンドだからこそ。彼らの結束力に改めて感動。そしてこの曲はDA PUMPが走り抜けた2002年の夏──このツアーの終了を惜しむ気持ちが顕われているような気がした。そして「Rain of Pain」のカップリング曲、「misunderstanding」。
 まだまだステージを去りたくない様子の四人。「何かできるかなぁ??」とバンドに挑むように呼び掛け、名曲「Just the Two of Us」を披露。ISSAがコーラスの二人の元に並びボーカルで参加、KEN、YUKINARI、SHINOBUがラップをそれぞれ披露する。

 さらに、「今日のこの場所でしかないことやろう」と、ダンサーを呼び出す。
 そしてJAMES BROWNの「Sex Machine」にのせてダンサーもスペシャルパフォーマンス。最後に四人もソロで見せつける。いつの間にか会場は一万人収容の巨大クラブと化していた。

   パフォーマーも観客も燃え尽きて、とうとうステージを去ろうとする四人を観客がなおも呼び止める。それに答えてまた中央へと戻ってくる四人。互いに顔を見合わせて頷くと、「僕らがすごく大事にしているこの歌を聞いて下さい。」そして聞かせてくれたのは「Stay Together」のアカペラ。咄嗟に思い出したのは彼らのファーストツアー。初めてのツアーで彼らはここ、武道館に立っていた。この曲をここでやる意味を彼らも観客も十分に噛み締め、感動を分かち合っていた。

 本当にやりたいことをやり尽くして、笑顔でステージを去った四人。こんなにエクストラが満載のライブには滅多に出会えない。そして、そのエクストラはきっと彼らのファンへの感謝の気持ち。でも、本当に愛情深い彼らのことだから、これでも気持ちの半分も伝え切れていない、そう感じていることだろう。

 1998年、ファーストツアーで武道館という歴史のある大きなステージに立ち、彼らはただひたすら、あらゆる人への感謝の気持ちを言い続けていた。あれから4年経った今でも、彼らはあの時と同じ気持ちでこの舞台へと立っている。そんな彼らの"POSITIVE VIVRATION"をこれからもずっと感じ続けていたい、そんな暖かい気持ちになった素敵なライブだった。