WALL_altenrnativeは昨年11月の開業以来、「アート/音楽を軸に多様なカルチャーを横断し、新しいムーブメントが生まれる拠点」であることをコンセプトに掲げ活動してきました。今回の企画展「𝐗𝐓𝐑」𝐂𝐮𝐫𝐚𝐭𝐞𝐝 𝐛𝐲 𝐂𝐎𝐍_は、日本橋馬喰町にあるギャラリー・CON_と協働した企画です。CON_は、東京・日本橋馬喰町を拠点に、コンテンポラリーアートをはじめ音楽など多様な表現文化を横断するプログラムを展開している気鋭ギャラリーです。
本展示では、ロンドンを拠点に活動を行う現代アーティスト・Inagakiが東京で初めて展示に参加し、オープニングレセプションでは、WALL_alternativeの外壁をキャンバスにInagakiによるミューラルアートを実施いたします。また、藤田紗衣による2メートル超に及ぶ巨大ドローイングを展示するほか、GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAEと山本和真が本展のために制作した新作を発表、Taewon Ahnはデジタルとアナログ世界の両面に共存するアート作品を展示します。
<OPENING RECEPTION>
日程:2024年8月7日(水)
時間:18:00~21:30
会場:WALL_alternative ※入場無料・事前申込制
申込はこちら
※当日は、WALL_alternativeの外壁をキャンバスにInagakiによるミューラルアートを実施します。
※また、オープニングレセプションでは、当日はWALL_alternative 2Fにある会員制ミュージックバーと連携し、普段会員限定で営業する2Fの空間とドリンクを特別にご体験いただけます。
<出展アーティスト>
Inagaki
「Untitled」,Inagaki
Inagakiは1998年生まれのロンドンを拠点に活動する日本の現代アーティスト、具象画家。欧米の文化への反発と憧れの入り混じった感情に突き動かされ、東京でグラフィティ(都市空間での破壊行為)に熱中。この背景が彼の壁画や公共アート、スタジオでの作品制作に反映されている。
幼い頃から都市空間の探求と理解に興味を持ち続けてきた彼の具象絵画には、都市で見かける生き物や若者、日常の物品がしばしば登場し、これらのテーマは彼の研究と制作の中心となっている。現在、彼は主要都市のさまざまな状況や超現実的なドラマを描いた具象絵画シリーズに取り組んでおり、東京、モスクワ、ロンドンでの生活経験やグラフィティ ・破壊行為への関与が、都市環境における緊張、解放、楽観主義、そしてジェントリフィケーション(都市の高級化)に焦点を当てた彼の作品に影響を与えた。
彼の絵画に登場する人物は、多くの場合黒で覆われており、地域的 ・文化的な特性を隠すことで匿名性を醸し出す。また、彼らはしばしば人工的な素材で構築され、ポストヒューマンまたはヒューマノイドのような形で描かれる。この有機的と無機的の中間に位置するアイデンティティは、西洋の影響と伝統的に均質な社会との間で揺れる新世代の日本人が直面する現実を個人的に表現したものである。
GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE
「ᏀᎥااًஃNཽཽོོོ༑༣ဧံ့းΔ」,GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE
GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAEは1999年東京都に生まれ、漫画、映画などのサブカルチャーに触れ育つ。都市と青年を題材にコンセプチュアルで物語的な表現を行なっている。現代美術の展覧会とライブを組み合わせて、7年間にわたり物語が展開されていく長編プロジェクト「獸」を開催している。また、日本橋馬喰町にあるギャラリー「CON_」のキュレーションなども行う。
山本和真
「Heksenzalf」,Kazuma Yamamoto
1998年東京都生まれ。消費社会における人間の行動心理を主要テーマとしている。インターネットの氾濫したイメージや技術の進化における情報の不安定さと、科学や理論では把握できない事を人間が見つけ出そうとする自然や神、宗教などの不可視性や畏怖の念の類似性を題材とし、多様な現代や複雑な人間の形を表現している。
藤田紗衣
「DDD(warp)」,Sae Fujita
1992年京都府生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画修了。ドローイングを起点に、シルクスクリーンやインクジェットプリントなどの印刷技術を用いて、描くこと自体を版によって再解釈し、描く行為から時間的・空間的に分けられたイメージを作る。 主な個展に、「仮想ボディに風」(ザ・トライアングル、京都、2022)、「ハード/ソフト」(I SEE ALL、大阪、2021)(準備中、東京、2021)、グループ展に、「感性の遊び場」(ANB Tokyo、東京、2022)、「惑星ザムザ」(小高製本工業株式会社跡地、東京、2022)、「VOCA展 2022」(上野の森美術館、東京)など。
Teawon Ahn
「On the carpet」,Taewon Ahn
ソウルを拠点に活動するAhn Taewon(1993年生まれ)は、インターネット上のミームが現実の世界に組み込まれたときに感じる、不自然だが奇妙に満足できるハーモニーを作品に表現している。 グラフィックプログラムで3Dモデルの表面に2次元の画像ファイルを貼り付けるテクスチャマッピングの手法に似たプロセスで、被写体のイメージを現実から歪め、エアブラシを使って平面または立体に貼り付けていく。
■Overview
「𝐗𝐓𝐑」
エクストラ。それはたちどころに溢れ、平面と立体の間から漏れ出してしまう。資本の、情報の、物質の、幻想の、現実の、様式の、ミームの、観光客の、幽霊の、速さの、質感の、唯一無二の、享楽の、剰余。
【展示概要】
「𝐗𝐓𝐑」
会期:2024年8月7日(水)-8月31日(土)※日曜定休
時間:18:00-24:00
入場:無料・予約不要
会場:WALL_alternative(東京都港区西麻布4-2-4 1F)
主催:WALL_alternative
企画:CON_、WALL_alternative
Graphic Design: Toru Kase @kasetoru
Image: Urot Esak @urot_esak
Visual Direction: Eisaku Sakai @practice_00_
【CON_について】
2022年4月、東京・日本橋馬喰町で開廊。ビジュアリティとコンセプトの両立を軸にコンテンポラリーアートをはじめとしたさまざまな表現文化を横断するプログラムを展開している。東京の都市文化を再考と実践するなかで、コンテンポラリーアートに限らず、音楽をはじめとする表現活動を有機的なムーブメントとして捉え直すことをビジョンとして掲げ、アーティストとの対話やリサーチから生まれたプログラムを企画することで、同時代性から生まれる新しい文脈の構築を継続的に行っている。