Story
人類が栄えた後に起こった最終戦争。その後、人類の頭上に君臨した「貴族」……すなわちバンパイアは原因不明の種的衰退を迎え、たそがれの彼方に没しつつあった。
しかし、その一部は辺境の一角にとどまり、なお人々の心胆を寒からしめ、対血族プロフェッショナル<ハンター>の誕生を促した。中でも貴族と人間の混血児<ダンピール>は理想のバンパイアハンターとされた。生まれつき、吸血鬼の長所も弱点も持つがゆえ、人間のハンターとは桁違いの能力を発揮し得るが、それ以外ではほぼ完全に人々から疎んじられ、遠ざけられる孤独な存在だった。
呪われた宿命に責めさいなまれながら、片方からは裏切り者と呼ばれ、一方からは悪鬼と恐れられる者。
そしていつしか、ひときわ美しい若者の名が人々の口に囁かれるようになる……「バンパイアハンターD」
ある夜、荘園主エルバーンの令嬢シャーロットが貴族(バンパイア)マイエル=リンクに誘拐される。エルバーンはバンパイアハンター“D”に娘を取り戻すよう依頼する。一方、冷酷非道で知られる賞金稼ぎのマーカス兄弟もシャーロットを追っていた。
立ちはだかる辺境の里・バルバロイの最強戦士たち、流血の伯爵夫人カーミラ……
シャーロットを取り戻すため、“D”の追走劇が始まった。