東京スカパラダイスオーケストラのベーシスト、川上つよし率いるムーディーでスペシャルなロック・ステディ・バンド。ゲスト・ヴォーカルに中納良恵 (EGO-WRAPPIN') を迎えた5年振りのニュー・アルバム!!  moodsteady / 川上つよしと彼のムードメイカーズ Tsuyoshi Kawakami & His Moodmakers (riddim zone/avex entertainment RZCD-46577)

[収録曲]

01. WHAT'S GOING ON (愛のゆくえ)
02. MISTY - Vocal - vocal by 中納良恵 [EGO-WRAPPIN']
03. COCKTAILS FOR TWO
04. YARDBIRD SUITE
05. WIVES AND LOVERS (素晴らしき恋人たち)
06. VIDEO KILLED THE RADIO STAR (ラジオスターの悲劇) vocal by 大森はじめ
07. FORESTY AIR
08. HOW DEEP IS YOUR LOVE (愛はきらめきの中に) vocal by 武田カオリ [TICA]
09. とおい貴方 (Tooi Anata)
10. MISTY - Instrumental -
11. THE TRACKS OF MY TEARS (涙の足跡)
12. AMAPOLA

[参加ミュージシャン/アーティスト]

大石幸司 [Little Tempo / Likkle Mai Band] drums / chorus
山本タカシ guitar / chorus
秋広真一郎 [Dreamlets] guitar / chorus
HAKASE [Little Tempo / HAKASE-SUN] keyboards / 鍵盤ハーモニカ
大森はじめ [東京スカパラダイスオーケストラ] percussions / vocal
西内徹 [Reggae Disco Rockers / Tetsuniques] saxophone / flute
市原"icchie"大資 trombone
黄啓傑 [BLACK BOTTOM BRASS BAND] trumpet / flugelhorn

NARGO [東京スカパラダイスオーケストラ] trumpet (M-03, M-11, M-12)
エマーソン北村 keyboards (M-03, M-11)

武田カオリ [TICA] vocal (M-08)

中納良恵 [EGO-WRAPPIN'] vocal (M-02)

川上つよし [東京スカパラダイスオーケストラ] bass / chorus

moodsteady / 川上つよしと彼のムードメイカーズ

【山口'Gucci'佳宏による全曲解説】

さて、川上つよしと彼のムードメイカーズ、唄ものベスト盤を挟んでの約5年振りとなるニュー・アルバムをここにお届けします。本作は、このバンドを立ち上げた当初のコンセプト、ムード音楽のロック・ステディ化に立ち返りアルバム・タイトルを “moodsteady” とし、ムード音楽の慣例である名曲のカヴァーを中心に、2曲のオリヂナル・ナムバーを織り交ぜ全12曲を収録。皆さん、篤とご堪能下さいませ。さぁ、武田カオリ嬢の妖艶なスキャットから本アルバムの幕開けです。

01. WHAT'S GOING ON (愛のゆくえ)

超大ネタ中の大ネタ、あまりにも大ヒット曲過ぎて、カヴァーするのを躊躇してしまいがちなこのナムバーにムードメイカーズは果敢に挑戦!! ソウル・シンガーの重鎮、マーヴィン・ゲイの1971年、全米ポップス・チャート6位の大ヒットを記録 した言わずと知れた代表曲。元曲のイメージを損なわず、ソウルフルなロック・ステディ・ナムバーとなっています。 今回、この曲に「愛のゆくえ」と言う邦題があることが判明!?

02. MISTY - Vocal - vocal by 中納良恵 [EGO-WRAPPIN']

エゴラッピンよりディーヴァ、中納良恵を迎えたジャズのスタンダード・ナムバー・カヴァー。ジャズ・ピアニスト、エロール・ガーナーが1954年に作曲、元々はインストゥルメンタル・ナムバーでしたが、ジョニー・バークにより歌詞が付けられました。数々の歌手によりカヴァーされている有名曲でもあります。中納良恵女史もライヴで唄っている曲だけあって、唄い上げっぷりは流石。ちなみにジャマイカでは、かの名シンガー、アルトン・エリス氏もカヴァーしていました。

03. COCKTAILS FOR TWO (愛のカクテル)

元曲はアーサー・ジョンストンとサム・コスロウにより作られ、1934年のアメリカ映画「絢爛たる殺人 (Murder at the Vanities)」の挿入曲としてデューク・エリントンの ビッグ・バンドで演奏された名ナムバー。ムードメイカーズは軽快なミッド・テムポのスカ・チューンに仕上げました。

04. YARDBIRD SUITE

トロムボーン奏者、イッチーの選曲によるジャズのスタンダード・ナムバー・カヴァー。ビバップ・スタイル・ジャズの立役者、アルト・サックス奏者、チャーリー・パーカーの1946年代表作。これぞオーセンティック・スカと言える正統派スカ・ナムバーにアレンヂされた一曲。

05. WIVES AND LOVERS (素晴らしき恋人たち)

ムードメイカーズのアルバムでは必ず一曲、偉大な作曲家であるバート・バカラックの名曲カヴァーを、と言うことで今回はこの曲。元々は1964年、同名映画の為に書かれましたが、結局、採用されずに終わった曲です。しかしながら数々のアーティストが取り上げ、特に1965年、ディオンヌ・ワーウィックによるカヴァーが有名。西内徹によるサックスの音色が心地良いロック・ステディ・ナムバーに仕上がっています。

06. VIDEO KILLED THE RADIO STAR (ラジオスターの悲劇) vocal by 大森はじめ

元曲はイギリスの二人組ニューウェーヴ・グループ、バグルスによる1979年全英シングル・チャート1位の大ヒット・チューン。今となっては時代遅れ感のあるラヂオ・スターの悲哀を唄ったナムバーをムードメイカーズはノリノリのスキンヘッド・レゲエ調にアレンヂ。大森はじめの唄声を元曲ヴォーカルのラヂオ・ヴォイスさながらに加工しています。女性コーラスの代りにホーン・セクションが入れる合いの手がポップでナイス?! 異種格闘技的なカヴァーに果敢な挑戦をした、かなり飛び道具的な一曲です。

07. FORESTY AIR

バン・マス、川上つよしによるタイトル通り、森林の雰囲気が醸し出されたオリヂナル曲。妖しげなイントロで始まり、美しいピアノの旋律、荘厳なトロムボーンのサウンド、そして繊細なフルートの音色が絡み合い、淡々と進行する中に心地良さを感じるチューンです。

08. HOW DEEP IS YOUR LOVE (愛はきらめきの中に) vocal by 武田カオリ [TICA]

すっかりムードメイカーズのヴォーカリストとしてお馴染みとなった歌姫、武田カオリをフィーチャーしたイギリスの兄弟三人組ヴォーカル・グループ、ビージーズの1977年大ヒット曲カヴァー。オリヴィア・ニュートン=ジョンとジョン・トラボルタ主演の大ヒット・ムーヴィー「サタデー・ナイト・フィーヴァー」の挿入曲としても有名。清涼感溢れる武田カオリの唄声にピッタリでスウィートなラヴァーズ・ロック・ステディ・ナムバーとなりました。

09. とおい貴方 (Tooi Anata)

いつも精力的に作曲、提案をしてくる鍵盤奏者、ハカセによるオリヂナル・ナムバー。今回も提案されたどれもが秀逸で甲乙付け難い5曲の中からこの曲をチョイス。美メロながら力強いホーン・セクションのサウンドが印象的なロック・ステディ・チューンです。鍵盤ハーモニカの音色もグッド。

10. MISTY - Instrumental -

2曲目の中納良恵女史が唄う “MISTY” のインスト・ヴァージョン。西内徹による味わい深いサックスのサウンドがナイス!! こちらもまた良し。。

11. THE TRACKS OF MY TEARS (涙の足跡)

スモーキー・ロビンソン率いるヴォーカル・グループ、ミラクルズのモータウン・レコーズに於ける1965年のヒット曲カヴァー。この曲でオルガンを弾いているのはハカセではなくエマーソン北村。彼の哀愁をも感じるクールなプレイとメムバーの爽やかなスキャット・コーラスが聴き処です。

12. AMAPOLA

NARGOのトラムペットがリードを取るメロウでムーディなナムバー。元曲はスペイン出身のジョセフ・ラカジェが1924年に作ったスペイン語のクラシック・ポピュラー・チューンです。まさにムードメイカーズが奏でるムードステディな一曲と言えるでしょう。

皆さん、ここにお届けしたムードステディ・ナムバーの数々、ご堪能頂けたでしょうか?! では、御機嫌よう。

平成二十二年十月吉日
ムードメイカーズのプレスマン 山口'Gucci'佳宏 [MFM/RAKSTONE Records]