2007年、演出家の萩原雄太が設立した劇団。メンバーは萩原のほか、俳優の清水穂奈美、俳優・舞台監督の伊藤新。演劇作品を通じて、公共と個人の身体との関係を描いている。主な作品に、原子力発電所事故後の福島県双葉郡広野町の路上で行った『福島でゴドーを待ちながら』、ルーマニアの国際演劇祭Temps D'Images CLUJに招聘された日本国憲法をテキストとするソロパフォーマンス『俺が代』、鋼鉄で作られた舞台美術を用い、動くことができない身体に宿るエネルギーを描き、シアターコモンズ'18にて上演した『しあわせな日々』(作:サミュエル・ベケット)など。
コロナ禍に見舞われた2020年からは、電話回線を用いて上演される「電話演劇シリーズ」を開始。俳優と観客の1対1で行われるこのシリーズでは、これまでに『もしもし、わたしじゃないし』(作・サミュエル・ベケット)『もしもし、シモーヌさん』(テキスト:シモーヌ・ヴェイユ)、『もしもし、あわいゆくころ』(テキスト:瀬尾夏美)の3作品を発表。また、22年と23年には、吉祥寺シアターとのコラボレーションとして、電話演劇の手法を応用した『ベンチのためのPLAYlist』を上演。観客は、劇場前に置かれた黒電話のダイヤルを回し、俳優によって小説家、詩人、思想家、劇作家、歌人らによるテキストがパフォーマンスに耳を澄ます。
かもめマシーン_CV