今はSNSの発展により、いつでも他者と繋がれるようになった。しかし、私は日々、生活の中で孤独を感じている。多様性が語られる一方で、他者と深く干渉し合わない今、人と人との関係は薄く、脆く感じられる。
そんな社会と自分とのズレに違和感を抱きながら、自身と向き合う中で、自らを癒すように、私的な経験や感情をベースとした作品制作を行ってきた。
私の作品の軸になっているキャラクターは、物心ついた時から身近な存在だった。子供の頃は3DSでよく動画を見たり、絵を描いたりしてきたため、現実とデジタルの両方に原風景があるような感覚がある。
その影響から、アナログでの子供の頃の記憶と、2010年代のインターネット(SNS上の二次創作イラストなど)の中で親しんできた視覚イメージをもとに作品を描いてきた。
また、私が描くキャラクターは、安心できる居場所であり、心の中の友達である。キャラクターやモチーフをコラージュしたり、子どもの落書きのような感覚で描き重ねたりすることで、不安なときにそばにいてくれる「お守り」のような作品を作り出している。
さらに、デジタルとアナログの質感を行き来する中で、画面の中と現実の境目が曖昧になるような状態に引き寄せられている。例えば、デジタルイメージが印刷された紙の上に絵の具を重ねて描いたり、均一なデジタルの線をアナログで再現したりすることで、そのグラデーションを探ってきた。
絵を描くことを軸にした制作を、平面作品にとどまらず、インスタレーションや冊子など領域横断的に見せていくことで、自身を癒すために作った作品の「やさしい世界」を、より多くの人に届けていきたい。
なごみ_CV