1970年の大阪万博で、旧三和銀行(現東京三菱UFJ銀行)を中心とする企業グループが出展したパビリオン。
カラフルな多面体の建物内部には、直径30メートルの巨大ドームスクリーンが設えられ、全天全周映画「アストロラマ」が上映された。アストロラマは天体(アストロ)とドラマ(劇)をあわせた造語。5台のカメラが生み出す全視野映像と超立体音響の技術により、それまでの“見る映画”とは異なる“参加する映画”体験を創り出した。上映作品は「誕生」と「前進」の2篇で、音楽を黛敏郎、脚本を谷川俊太郎が手がけた「誕生」のほうには、舞踏の創始者・土方巽が出演している。さらに同館エントランスホールでは、吉原治良監修による具体美術協会の展覧会も開催された。
最先端の技術と前衛的な芸術表現を掛け合わせた「みどり館」パビリオンは大きな評判を呼び、会期中に600万人近くが来場した。
協力:株式会社みどり会、土方巽アスベスト館
Courtesy of The Midorikai co., Ltd / Tatsumi Hijikata, Asbestos Studio.