• a study of identity/
Ryoichi Nakamura

中村 亮一






現代社会で見えにくくなってしまっているマイノリティの人々を自分事として理解するために、2015年 から『a study of identity』という作品を制作しています。このテーマで制作を始めたきっかけは、2003 年から2008年までのベルリン在住中に、マイノリティとして受けた悪気ない偏見や差別の体験です。 また、地域社会との文化交流活動を目的として、ベルリンのGregor Gleichfeld財団から支援を受け、 オルタナティブスペース、バッシュハウスを運営した体験が強く影響しています。バッシュハウスは、 ドイツ人社会から隔離されたトルコ人移民の家族が集まって住む地域の中にありました。隔てられた 二つの社会のさらに周縁に自分が居たことが、アーティストが社会に対して何ができるのか、という 事を真剣に考えるきっかけになりました。2015年から2016年の間、ポーラ美術振興財団 若手芸術 家の在外研修助成を受け、第二次世界大戦時の日系アメリカ人の歴史調査と、社会課題を作品で 如何に表現するかという研修を受けました。大戦中の日系アメリカ人の複雑で不安定なアイデンティ ティを知ることで、マイノリティについて理解を深めるために『a study of identity』シリーズを始めまし た。近年では、アートによる社会への介入には、鑑賞以上に鑑賞者とのコミュニケーションが重要で あるという考えから、共同作業という制作スタイルを取っています。制作に参加することで、私たちが 生きる社会で、見えにくくなってしまっているマイノリティの人々に対する認識が少しでも深まってくれ たらという想いで活動しています。





1982年東京都生まれ、東京都在住

START Box ササハタハツ
アトリエ 滞在制作 2024年4月10日〜9月24日

アワード・スカラーシップ
2014 岡本太郎現代芸術賞 入選(東京)
2015~2016 ポーラ美術振興財団 在外研修(ニューヨーク、ロサンゼルス)
2013~2014 ホルベインスカラシップ(東京)

パブリックコレクション
ビル & メリンダ・ゲイツ財団(シアトル)

学歴
2006 ベルリン・バイセンゼー芸術大学 カタリ−ナグロス教授、聴講生
2002 東京造形大学 入学 (2004年 自主退学)
1998 国際交流基金、交換留学プログラム、ベルリン市派遣

個展
2025 Gallery Birthe Laursen (コペンハーゲン)
2023 KOKI ARTS(東京)
2021 “Ryoichi Nakamura” Peter Augustus Gallery(ダラス)

主なグループ展
2024 "START Box Exhibition Vol.02" YAU CENTER(東京)

2023 "境界のかたち" EUREKA(福岡)

2019 "星座を想像するように−過去−現在−未来", 東京都美術館(東京)

アートフェア
2023 アートフェア アジア 福岡(福岡)
2022 インターセクト アスペン(アスペン)
2022 Dallas Art Fair(テキサス)

アーティストインレジデンス

2015.05-08 The Future - 嘉麻市レジデンシー・ビエンナーレ. (福岡)
2009.05-07 トロントアートスクール. Independent Summer Residence. (トロント)