• 太刀/2005年
Kazuki Kawashima

川島一城

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1970年、高知県安芸市生まれ。鍛工十四代・川島正秀の長男として生を受け、父の鍛冶場で育つ。
鋼を打つ音、火花の舞い、鍛錬場に流れる緊張感。それらすべてが幼少期から身体に染み込み、自然と刀匠の道へと導かれていった。
1989年、高知県立安芸高等学校を卒業後、刀匠・中田正直に師事し、岐阜県関市で鍛刀の基礎を学ぶ。1994年には美術刀剣製作の認可を受ける。その後、1995年には無鑑査刀匠・吉原國家に師事し、備前伝の技法を本格的に修得。翌1996年には、備前長船博物館の鍛刀場にて独立を果たし、新作名刀展に初出品・初入選。2003年には長船町に「川島正城日本刀鍛錬場」を開設。2005年、新作名刀展にて努力賞受賞。
その鍛刀は、玉鋼(たまはがね)を用いた折り返し鍛錬に始まり、焼き入れによって生まれる刃文に火・水・大気の意志を宿し、地鉄(じがね)の肌に素材と向き合う時間を刻む。鍛錬、焼き入れ、研磨、鑢がけ——すべての工程は「素材と対話する時間」であり、「内なる自分を整える行為」であると川島は語る。
「刀はただ斬るための道具ではない。
自分自身を映し出す鏡であり、
内なる声と向き合うための器だ。」
川島は、現代に生きる刀匠として、伝統技法を継承しながらも、自身の感性と対話を重ね、一振り一振りと真摯に向き合い続けている。

 

協力:瀬戸内市