世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう※
文化人類学者のレヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』の終わりに書かれた一節。
これは西洋中心的な世界観で発達してきた20世紀の中において、自然や他国の民族を含む他者を意識された言葉として、注目されました。
しかし、この言葉はCOVID-19によって改めて自然という環境に取り囲まれた世界にいることを認識させられた今にも響いてくる言葉です。
本展覧会では、この言葉に触発されながら自然の持っている生命力、美しさ、そして、無常感に回帰しながら、人間が去った世界を想起させる展覧会となります。
近代の人間中心的な世界像の時代から、環境や他者と共にある社会を目指すようにシフトしつつある時代の中で、アーティストたち自然の物質や生命から触発された作品を介して、訪れた人に人間と環境のこれからの未来について思いを巡らす時間を提供します。