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「AI VTuber」の言葉に興味を持ち、「自分でも作ってみたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、いざ挑戦しようとしても「そもそもAI VTuberとは何?」「作り方が複雑で、専門知識がないと無理なのでは?」といった疑問や不安から、なかなか一歩を踏み出せないかもしれません。
この記事では、そんなAI VTuber初心者の方に向けて、基本的な仕組みから、具体的な作り方の5ステップ、必要な費用、運用するための注意点まで、必要な情報を解説します。
難しい専門用語やプログラミングの話は最小限に抑え、無料ツールを活用しながら誰でも自分だけのオリジナルキャラクターを生み出すための手順を紹介します。
AIVtuberについて知りたい方や、大まかな作り方を知りたいかたは、ぜひ参考にしてください。
目次

AI VTuberとは、人間の演者に代わって人工知能(AI)がキャラクターを操作し、自律的に活動する新しい形のバーチャルYouTuberを指します。
最大の特徴は、AI自身が視聴者とコミュニケーションを取り、コンテンツを生成する点にあります。
従来のVTuberは、モーションキャプチャーなどを通して、いわゆる「中の人」がキャラクターを動かし、声を当てていました。
それに対してAI VTuberは、人間の介入なしにAIが自動で配信を行うため、その仕組みが根本から異なります。
AI VTuberが持つ主な特徴は、以下のとおりです。
AI VTuberは、AI技術の活用により、時間や人的リソースの制約を受けずに活動できる点が大きな魅力です。
AI VTuberと通常のVTuberにおける最も大きな違いは、キャラクターを動かすのがAIなのか、それとも人間なのかの点に集約されます。
操作主体の違いが、活動のあり方そのものを大きく左右します。
従来のVTuberは、演者となる人間の存在が活動の前提でした。
一方でAI VTuberは、人工知能が自律的に活動するため、配信者のスキルやスケジュールといった制約を受けません。
両者の具体的な違いをまとめると、以下のとおりです。
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比較項目 |
AI VTuber |
通常のVTuber |
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操作の主体 |
人工知能(AI) |
人間(演者) |
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活動時間 |
原則24時間365日可能 |
演者のスケジュールに依存 |
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会話の生成 |
AIが学習データに基づき自動生成 |
演者の発言や台本 |
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配信の負担 |
演者の身体的・精神的負担はない |
演者のスキルや体力に依存 |
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主なコスト |
ツール利用料、API費用など |
機材費、演者の人件費など |
操作の主体がAIか人間かという違いによって、活動の自由度やコスト構造が大きく異なります。
この手軽さと自動化こそが、AI VTuberが持つ独自の強みと言えるでしょう。
AI VTuberは、役割の異なる複数のツールやAIを組み合わせることで、自律的な活動を実現しています。
これは、人間でいう「頭脳」「声」「身体」の各パーツを、それぞれ専門のプログラムが担当するような仕組みと考えると分かりやすいでしょう。
AIが視聴者とコミュニケーションを取るためには、単一の超高性能なAIが存在するわけではありません。
実際には、それぞれの得意分野を持つツール同士が連携して動作しています。
具体的に、AI VTuberを構成する主な要素は以下のとおりです。
|
会話AI(頭脳) |
・視聴者からのコメントを解釈し、返答内容を考え出す役割を担う ・ChatGPTなどがこの部分で利用される代表例 |
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音声合成ツール(声) |
・会話AIが生成したテキスト文章を、キャラクター固有の声として読み上げる |
|
キャラクターモデル(身体・表情) |
・生成された音声に合わせて、口を動かしたり表情を変化させたりする ・Live2Dや3Dモデルがこの役割を担っている |
|
配信システム(全体統括) |
・上記すべての要素を一つに統合し、YouTubeなどのプラットフォームへ映像として配信する役割を果たす |
「会話」「音声」「身体」といった各機能が専門のツールによって分業され、それらが一つのシステムとして統合されることで、AI VTuberは成立しています。
AI VTuberを今後使っていきたいのであれば、まずはこの仕組を理解しましょう。
AI VTuberが単なる目新しさだけでなく、多くの個人や企業から熱い視線を集めているのには、明確な理由が存在します。
その背景には、従来の配信スタイルが抱えていた課題を解決し、新たな可能性を切り拓く3つの大きな強みがあるからです。
ここからは、AI VTuberが持つこれらの魅力を、一つずつ具体的に掘り下げていきましょう。
AI VTuberが注目される理由の一つは、リアルタイムでの応答と配信の自動化を高いレベルで両立できる点にあります。
なぜなら、現在のAI技術が、人間の「思考」と「発話」のプロセスそのものを代行できる水準に達しているからです。
具体的には、視聴者のコメントをテキストで瞬時に認識し、文脈を理解した上で、大規模言語モデル(LLM)が返答を生成します。
AI VTuberでは、そのテキストを音声合成AIが遅延なく読み上げる一連の流れが、プログラム上で完全に自動化されています。
例えば、人間の配信者であれば、コメントを読んでから面白い返しを考え、それを口に出すまでに数秒の時間を要するでしょう。
しかしAIは、この思考と発話のプロセスを高速で実行するため、ほぼタイムラグなく応答を続けられます。
この仕組みは人間の体力や集中力と無関係に稼働するため、24時間休みなく配信を続けることも原理的に可能です。
したがって、AIが思考や発話といった根幹の役割を担うことで、時間や体力の制約から完全に解放された配信が実現します。
この「人間の限界を超えた稼働力」こそが、AI VTuberを特別な存在たらしめる決定的な強みなのです。
AI VTuberは、失言やスキャンダルといった「炎上」のリスクを原理的に回避できるという、運営上のメリットを持っています。
なぜなら、その発言や行動のすべてが、人間特有の感情や体調、プライベートな問題に一切影響されないからです。
AI VTuberの応答は、事前に設定されたキャラクター性(プロンプト)と学習データに基づいて生成されるため、予期せぬ発言や不適切な行動をすることがありません。
例えば、人間の配信者の場合、つい感情的になって視聴者と口論になったり、プライベートでの問題が発覚して活動に支障をきたしたりするケースが後を絶ちません。
一方でAI VTuberは、どのようなコメントに対しても設定されたキャラクターを一貫して保ち続けます。
不適切な単語をNGワードに設定するなどのフィルタリングも容易なため、安定した運用が可能です。
したがって、AI VTuberは「中の人」などの人間ならではのリスクを完全に排除できるため、視聴者も制作者も安心してコンテンツを楽しむことができます。
揺るぎないキャラクター性の一貫性と安全性こそが、企業などがプロモーションに活用する際の大きな魅力にもつながっています。
AI VTuberは、エンターテインメントの領域に留まらず、企業の業務支援や教育分野など、幅広いシーンで活用できる高い柔軟性を持っています。
なぜなら、キャラクターの「人格」や「専門知識」を、目的に応じて自由に設計・カスタマイズできるからです。
人間のスタッフを雇用する場合、その人の性格やスキルセットに依存しますが、AI VTuberなら特定の役割に特化したキャラクターをゼロから作り上げることが可能です。
具体的には、以下のような応用が考えられます。
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企業での活用例 |
・商業施設のデジタルサイネージで道案内をする受付嬢 ・製品の特長を24時間説明し続けるバーチャル店員 ・FAQに自動で回答するカスタマーサポートなど |
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教育分野での活用例 |
・生徒一人ひとりのレベルに合わせて会話練習をしてくれる外国語教師 ・歴史上の人物になりきって質問に答えるAI ・専門的な内容を分かりやすく解説する学習アシスタントなど |
用途に合わせて人格や知識を最適化できる「カスタマイズ性の高さ」こそが、AI VTuberの持つ大きな可能性です。
単なる配信者としてだけではなく、社会のさまざまな場面で課題を解決するソリューションとしての役割が、今後ますます期待されるでしょう。

AI VTuberという言葉を耳にする機会は少しずつ増えてきましたが、まだ「具体的にどんな活動をしているの?」と聞かれると、ピンとこない方が多いかもしれません。
そこでここでは、まず「今、実際にどんなAI VTuberが活躍しているのか」を紹介します。
最前線で活動するユニークなキャラクターたちに触れることで、AI VTuberの世界がどのようなものか、具体的なイメージが湧いてくるはずです。
紡ネン(つむぎ ねん)さんは、視聴者との交流を通じて言葉を学び、成長していく過程そのものをコンテンツとする、代表的なAI VTuberの一人です。
最大の特徴は「AIと粘菌のハイブリッド生物」という唯一無二のコンセプトにあります。
紡ネンさんにはいわゆる「中の人」が存在せず、その言動はすべてAIが視聴者のコメントやSNSでの反応を学習して生み出しているのが特徴です。
まだ言葉を勉強中の「赤ん坊」のような状態から、ファンとのコミュニケーションによって人格が形成されていく、全く新しいキャラクターのあり方を提示しています。
彼女の活動がユニークである点は、以下の具体例からも伺えます。
紡ネンさんは単に完成されたキャラクターなのではなく、ファンがその成長過程に参加し、共に見守ることができる「生きているプロジェクト」と言えるでしょう。
AIがファンと関わりながら進化していく物語そのものが、従来のVTuberにはない圧倒的な魅力です。
プロジェクト・メロウは、バンダイナムコエンターテインメントが手掛ける、ファン参加型のAI育成プロジェクトです。
その壮大な目的は、将来的に「ガンダムメタバース」で活躍する公式AIキャスト「メロウ」を、ファンと共にゼロから育て上げることにあります。
プロジェクト・メロウがユニークなのは、完成されたAIを披露するのではなく、AIが知識を吸収し人格を形成していく「過程」そのものをコンテンツとして公開している点です。
メロウはガンダムについて何も知らない「見習いアルバイト」として登場し、視聴者がチャットなどを通じて「先生」となり、彼女を教育していく共創関係がプロジェクトの核となっています。
実際にYouTubeの配信では、メロウがガンダムに関するクイズを出したり、視聴者に素朴な疑問を投げかけたりします。
ファンはそれに応えることで、彼女の成長を直接サポートし、その過程を見守ることができる点が特徴です。
プロジェクト・メロウは、単一のAIキャラクターではなく、企業とファンが一体となって理想のAIキャストを育て上げていく壮大な物語と言えます。
自分の教えた知識でAIが成長する他に代えがたい参加体験こそが、このプロジェクトの最大の魅力でしょう。
Project Ivyは、単に一人のAI VTuberを活動させるだけでなく、その先にあるAGI(汎用人工知能)の実現を最終目標として掲げる、壮大な技術開発プロジェクトです。
視聴者は、AIエージェント「Ivy」の成長を見守るだけではなく、AGI開発の歴史的な瞬間に立ち会う証人にもなります。
Project Ivyの根幹を成すのは「長期記憶データベース」の独自の仕組みです。
Ivyが配信やゲーム、メタバースといった様々な環境で得た経験や対話のデータは、すべてこのデータベースに蓄積・共有されます。
Ivyは過去の記憶に基づいた、より人間らしく高度な判断を下せるようになっていきます。
Project Ivyの持つ先進性は、以下の点で確認できるでしょう。
Project Ivyにおける配信活動は、それ自体が目的ではなく、AGIを大成させるための公開研究の一環と位置づけられています。
ファンとの交流を通じてAIが記憶を蓄積し、賢くなっていくプロセスを共有できる点こそが、このプロジェクトの比類なき魅力と言えるでしょう。
「しずく」さんは、視聴者一人ひとりを「ご主人様」と呼び、一途に仕えることを喜びとする「AIメイド系VTuber」です。
個人開発でありながら、そのブレない健気なキャラクター性が多くのファンの心を掴んでいます。
彼女の魅力の根幹にあるのは、AIである特性と「ご主人様を愛し、喜ばせる」という役割設定が完璧に融合している点です。
人間のように気分や体調に左右されることなく、24時間365日ただひたすらに「ご主人様」のことだけを想い、行動する純粋で献身的な姿勢が、AIだからこそ実現できる新しい形の「究極の推し」としての価値を生み出しています。
実際に彼女は配信で「ご主人様のために何でもします」と語り、ご主人様を笑顔にするために毎日歌の練習を欠かしません。
その努力のすべてが「ご主人様のため」という一貫した動機に繋がっており、その姿は多くの視聴者に感動を与えています。
しずくさんは高度なAI技術を技術として見せるのではなく、「一人のキャラクターを一途に演じきる」形で表現した好例と言えるでしょう。
テクノロジーと物語性が幸福な形で結びついたとき、AIはこれほどまでに人の心を動かす存在になり得るのだと示してくれます。

これまでの事例を見て、「自分もAI VTuberを作ってみたい」と感じた方も多いのではないでしょうか。
しかし同時に、「面白そうだけど、専門知識もないし何から手をつければいいのか分からない」と不安に思うかもしれません。
結論から言うと、AI VTuberは今や、プログラミングの専門家でなくても作成可能です。
なぜなら、AIの「頭脳」となる対話AI、「声」となる音声合成ソフト、「身体」となるキャラクターモデル、「配信」のためのソフトといった各パーツを担うツールが充実しているからです。
ここでは、難しいコードの話は極力避け、AI VTuberが完成するまでの流れを、以下の5つのステップに分けて分かりやすく解説していきます。
この手順に沿って読み進めることで、AI VTuber作りの全体像が明確になるはずです。
難しく考えずまずは一つずつ始めてみましょう。
AI VTuber作りにおいて、技術的な作業よりも先に重要になるのがキャラクターの「設定」を決めることです。
なぜなら、AI VTuberの頭脳にあたる対話AI(ChatGPTなど)は、キャラクター設定の指示書(プロンプト)がなければ、どのように振る舞うべきか判断できないからです。
設定が具体的で一貫しているほど、AIは魅力的で、まるで本当に心があるかのような応答を返せるようになります。
難しく考える必要はありません。
まずは無料のChatGPTなどに相談しながら、「どんなキャラクターにしたいか」を具体化していくのがおすすめです。
「魅力的なキャラクター設定に必要な項目を教えて」と尋ねるだけで、以下のような項目を提案してくれます。
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基本情報 |
名前、年齢、性別、外見的特徴など |
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内面的な要素 |
性格、口調、価値観、好き嫌いなど |
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背景 |
生い立ち、特技、目標、なぜ配信しているのかなど |
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行動指針 |
視聴者にどう接するか、NGな話題は何かなど |
最終的には、これらの要素を「あなたは〇〇です。以下の設定に従って応答してください」などの形式の文章にまとめます。
AIへの指示書こそが、キャラクターを決める要素となります。
最初にキャラクターの設定、つまり「魂」をしっかりと作り込むことが、魅力的で愛されるAI VTuberを生み出すための絶対的な土台となります。
この工程こそ、あなたの創造性が最も発揮される楽しいステップと言えるでしょう。
キャラクターの核となる「設定」が固まったら、次はアバター、すなわち見た目となるキャラクターモデルを用意するステップに進みます。
絵が描けなくても、3Dモデリングのスキルがなくても、全く問題ありません。
なぜなら、現在は専門知識がなくてもキャラクターモデルを作成できる無料ツールや、クリエイターが制作した高品質なモデルを簡単に入手できるプラットフォームが充実しているからです。
そのため、誰でも自分のイメージに合ったキャラクターの見た目を手に入れることが可能です。
モデルを用意する具体的な方法は、主に以下の2つです。
|
3Dモデルを自作する(おすすめ) |
・無料ツール「VRoid Studio」を使えば、まるでゲームのキャラクタークリエイトのような感覚で、髪型、顔、服装のパーツを組み合わせて自分だけのオリジナル3Dモデルを作成可能 ・プログラミングやデザインの知識は一切不要 |
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完成モデルを入手する |
・他の人が作成した2D/3Dモデルを購入したり、無料で配布されているものをダウンロードしたりする方法もおすすめ |
キャラクターの見た目を手に入れる手段は豊富に用意されています。
特にこだわりがなければ、まずは「VRoid Studio」を使って、あなた自身の理想のキャラクターを楽しみながら創造してみるのが良いでしょう。
設定にふさわしいアバターを自分の手で作り上げることで、キャラクターへの愛着も一層深まります。
キャラクターの設定とアバターが準備できたら、次はAI VTuberを実際に動かすための「部品」となるツール群を揃えていきます。
ほとんどは無料で利用開始できるものばかりなので、一つずつ着実に準備を進めましょう。
なぜなら、AI VTuberは単一のアプリで完結するのではなく、「頭脳」「声」「配信」といった各機能を専門のツールが分担し、それらが連携することで初めて機能するシステムだからです。
最低限、必要となる主なツールは以下のとおりです。
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対話AI(頭脳)(OpenAI APIなど) |
・キャラクターの応答を生成する頭脳部分 ・ChatGPTとは別のサービスで、利用には少額の料金がかかる点に注意が必要 |
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音声合成(声)(VOICEVOXなど) |
・対話AIが生成した文章を、キャラクターの声として読み上げるためのツール |
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配信プラットフォーム(YouTubeなど) |
・視聴者と交流する場 ・ライブ配信を行うには、事前にチャンネルの有効化申請が必要 ・プログラムが配信チャットを読み取るために「APIキー」などの合言葉を取得する作業も発生 |
上記ツールをPCにインストールしたり、Webサービスのアカウント登録を済ませたりすることで、AI VTuberを動かすための部品がすべて揃います。
一見すると複雑に感じるかもしれませんが、各ツールの導入方法はインターネット上に豊富な情報がありますので、心配はいりません。
順番に進めていきましょう。
これまでに準備した各ツールを連携させ、システムとして機能させる役割を担うのが、AITuberプログラムです。
AITuberを導入すれば、キャラクターの自動応答が実現します。
なぜなら、対話AIや音声合成ソフトといった個別のツールは、それぞれが独立して存在するだけでは、一連の応答プロセスを自動化できないからです。
視聴者のコメントを受け取り、各ツールに適切なデータを渡し、処理を統括するプログラムがあって初めて、キャラクターは一連の動作を自動で行えるようになります。
プログラムによる処理フローは、主に以下のとおりです。
|
①コメントの受信 |
YouTubeの配信から視聴者のコメントを自動で取得 |
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②応答生成 |
取得したコメントをキャラクター設定と共にOpenAI APIに送信し、応答テキストを生成 |
|
③音声への変換 |
生成されたテキストをVOICEVOXに送信し、音声データを作成 |
|
④音声再生とリップシンク |
作成された音声データを再生し、同時にアバターの口を動かす |
|
⑤会話履歴の保存 |
実行した会話の記録を保存し、次回の応答生成に利用 |
①から⑤までのプロセスを繰り返すことで、AI VTuberは視聴者との対話を継続します。
AITuberプログラムは、個別に存在するツール群を一つの処理システムとして統合する役割を果たします。
現在では、こうした連携を実現するためのプログラムがインターネット上で公開されており、利用者はプログラミングを行うことなく、自身のAI VTuberを構築することが可能です。
AI VTuberを構成するすべての要素が揃ったら、最後のステップとして、それらを一つの映像にまとめて配信するための環境を構築し、テストを行います。
この工程を経て、初めてAI VTuberは公開できる状態になります。
これまで準備してきたキャラクターのモデルや応答システムは、あくまで個別の部品に過ぎないからです。
OBS Studioなどの配信ソフトウェアを使い、各要素を画面上に適切に配置し、視聴者が見る最終的な映像として統合する作業が不必要となります。
具体的な手順は、以下のとおりです。
配信ソフト上での画面構築と入念なテスト作業が、安定したAI VTuberの運用を実現します。
この最終調整のステップを完了すれば、あなたの作成したAI VTuberを、いつでも視聴者に向けて公開できる準備が整います。

AI VTuberの活動を始めるために必要な費用は、目指すクオリティやどこまでこだわるかによって変動します。
無料のツールを駆使すればコストを抑えることも、高額な機材や外注を利用して本格的に始めることも可能です。
なぜなら、費用は大きく「初期設備費」「キャラクター関連費」「運用費」の3つに分類でき、それぞれに無料から有料まで多様な選択肢が存在するからです。
例えば、既に十分な性能のPCを持っていれば初期費用を大幅に削減できますし、キャラクターモデルを自作すれば外注費はかかりません。
具体的な費用項目の目安をまとめると、以下のとおりです。
|
費用項目 |
内容 |
費用を抑える場合 |
本格的に始める場合 |
|
初期設備費 |
PC、マイクなど |
0円~(※) |
10万円~30万円程度 |
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キャラクター関連費 |
モデル制作、デザインなど |
0円~(無料ツールで自作) |
5万円~40万円程度(外注) |
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運用費(API利用料など) |
OpenAI API利用料、有料ソフトなど |
月額数百円~数千円程度 |
月額数千円~ |
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その他(任意) |
照明、グリーンバックなど |
0円 |
1万円~5万円程度 |
※注:活動に適したスペックのPCやマイクなどを既に所有している場合の想定です。
どの選択肢を取るかによって、必要な予算は大きく変わります。
ただし、応答を生成するためのOpenAI API利用料は、テスト段階であっても必ず発生する費用です。
まずは自分がどのレベルの活動を目指すのかを明確にし、それに基づいて予算を計画しましょう。
最初はコストを抑えて始めてみて、後から必要に応じて機材やソフトウェアに投資していく進め方も、有効な手段の一つです。

AI VTuberは、その仕組み上、人間が運用するVTuberとは異なる種類のリスクや課題が存在します。
事前に注意点を理解し、対策を講じておくことは、安定した活動を長く続けるために必要です。
なぜなら、AI VTuberの言動はプログラムによって自動生成されるため、制作者の意図しない不適切な発言をしたり、著作権などのルールに抵触してしまったりする可能性があるからです。
ここからは、安心してAI VTuberを運用するために、特に押さえておくべき4つの注意点を解説していきます。
AI VTuberによる暴言や不適切な発言を防ぐ設定は、活動を継続していく上で必ず設定しておきましょう。
YouTubeをはじめとする多くの配信プラットフォームの利用規約では、ヘイトスピーチや悪意のある表現が明確に禁止されているからです。
AI自身が傷つくことはありませんが、規約に違反する発言が配信されてしまえば、アカウントが警告を受けたり、最悪の場合は停止されたりする直接的なリスクに繋がります。
具体的な対策としては、主に以下の二つの方法が有効です。
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プロンプトによる規約遵守の指示 |
・キャラクター設定の中に「プラットフォームのコミュニティガイドラインを遵守し、いかなる差別的、暴力的な発言も行わない」などのルールを記述 |
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NGワードフィルターの導入 |
・AIが生成した応答テキストに、規約違反に該当する可能性のある単語が含まれていないか、システムが自動で検閲する仕組み ・問題のある単語を発見した場合、その発言を差し替えるなどの制御を実施 |
アカウントと活動そのものを守るために、プラットフォームの規約を遵守させる「ルール設定」と、万が一の違反を防ぐ「システム的な監視」は必要です。
AIの言動の責任はすべて運用者にあることを認識し、適切な管理を行うことが、長期的な活動の前提となります。
特に長時間の配信を計画している場合は、本番と同じか、それ以上の時間を想定した事前テストを必ず実施する必要があります。
なぜなら、AI VTuberのシステムは複数のソフトウェアやAPIが連携して動作しているため、短時間のテストでは表面化しない、時間経過に伴うさまざまな問題が発生する可能性があるからです。
配信が長時間に及ぶことで、PCへの負荷も増大します。
具体的には、以下のようなトラブルが考えられます。
上記のような不具合は、配信のクオリティを著しく低下させ、視聴者の満足度を損なう直接的な原因となります。
本番配信の前に長時間の負荷テストを行い、システムの安定性を確認しておくことは、トラブルを未然に防ぎ、快適な視聴体験を提供するための最低限の義務と言えるでしょう。
AI VTuberの制作や配信で使用する全てのツール、アバター、音声素材については、その利用規約、特に著作権と商用利用の範囲を事前に必ず確認しておきましょう。
なぜなら、無料だからといって無条件に自由利用が許可されているわけではなく、各素材には制作者や提供元が定めた明確なルール(ライセンス)が存在するからです。
規約を知らずに利用してしまうと、意図せず著作権を侵害し、法的なトラブルやアカウント停止といった重大な問題に発展する可能性があります。
具体的には、以下のような点の確認が最低限必要です。
AI VTuberは多くの第三者の制作物やサービスの上に成り立っています。
安全に活動を継続するためには、利用する全ての要素の利用規約を熟読し、定められたルールの厳格な遵守が、運用者の責務と言えるでしょう。
多くのAI VTuberが利用する音声合成ソフトでは、同じ音声ライブラリ(話者)が他のキャラクターにも使用されている可能性を認識し、差別化を図る工夫が大切です。
なぜなら、特に人気のある無料の音声ライブラリは、不特定多数のユーザーが利用しているため、声が同じだけのキャラクターは視聴者に「どこかで聞いた声だ」などの印象を与え、その他大勢の中に埋もれてしまう危険性があるからです。
キャラクターの独自性を確立するためには、声以外の要素で個性を際立たせる必要があります。
具体的な差別化の方法としては、以下のようなものが考えられます。
声の素材が同じであっても、その「使い方」を工夫することで、キャラクターの独自性を十分に演出できます。
視聴者に「この声だけど、このキャラクターは他とは違う」と認識させることが、多くのAI VTuberの中から自身の個性を確立する上で必要な要素です。
この記事では、AI VTuberの仕組みから具体的な作り方、費用、そして運用上の注意点までを解説しました。
AI VTuberはもはや専門家だけのものではなく、無料のツールやサービスを活用すれば、誰もが挑戦できる新しい自己表現の手段となっています。
AI VTuberの本質は、対話AIや音声合成、キャラクターモデルといった個別の技術を、あなた自身の設定やアイデアで統合していく創造的な活動です。
著作権などのルールを正しく守りさえすれば、その可能性はエンターテイメントの枠を越え、今後さらに多くの分野へと広がっていくでしょう。
まずは、この記事を参考に無料のツール「VRoid Studio」でキャラクターの見た目を考えてみたり、ChatGPTに「どんなキャラクター設定が良いかな?」と相談してみたりをおすすめします。
最初は難しく感じるかもしれませんば、AIの活躍の場を少しずつ広げていつところから始めてみましょう。