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ライバー事務所の社長やライブ配信プラットフォームの関係者など、業界の権威あるポジションの方々に「ライブ配信業界のこれから」を語っていただく本連載。
第8回目に出演いただくゲストは、「株式会社ライバー」取締役会長ファウンダーの飯田祐基さん。草創期からコミュニティの中心にい続ける彼のライブ配信に対する並々ならぬ思いを聞いてきました。
LIVER TANKENTAI 編集部
飯田さんとライブ配信の出会いについて教えてください。
飯田
2009年にインターネットラジオに出会ったことがライブ配信と関わるようになったキッカケです。
タレントのような表舞台に立つ仕事に興味があった自分にとって、名を挙げるために最適なツールだと当時から考えていました。
LIVER TANKENTAI 編集部
芸能界やテレビに出ることを目指す選択肢もあった中、なぜライブ配信に注目したのでしょう?
飯田
当時は今と比べてライブ配信そのものの認知度もすごく低かったし、そこから結果を出した先駆者もいませんでした。でも、逆にその状況がチャンスだと思ったんです。
インターネットのトラフィックを持っている人の価値が上がっていくことは想定していたので、迷いはありませんでした。
LIVER TANKENTAI 編集部
なるほど。
飯田
その後、自分が演者として培った経験を活かして株式会社テクサ(現ライバー)を創立。現在は3000人の提携インフルエンサーと50人の所属インフルエンサーが所属しています。
適切な人を適切な形(制作)で適切な場所(プラットフォーム、SNS)に提供する営業企画部と、ライブ配信のエンゲージメントを活かしてファンと収益を増やすマネジメント事業部があり、最近は自社プラットフォームも運用しております。
LIVER TANKENTAI 編集部
50人は他社に比べると専属としては決して多くない数の印象ですが…?
飯田
我々は方針として数字にコミットすることを掲げているので、覚悟を決めてやり切るマインドがある人をしっかりとプロデュースするのが強みなんです。
結果が出せないなら事務所としてバリューを発揮できていないことになるし、だからこそ自分が担当するクリエイターに責任を持つ意味合いも込めてある程度の足切りをしています。
LIVER TANKENTAI 編集部
少数精鋭タイプなんですね。
飯田
もちろん昔は新規獲得に汗を流していたフェーズもあります。でも、それがビジネスとして本当に正しいやり方なのかを真剣に考え直したんですよね。
偽善だと思われるかもしれませんが、マネタイズと同レイヤーくらいでクリエイターや業界発展のために尽力している自負があります。
人数をたくさん所属させることが全体の利益になっているならまだしも、そのための組織形勢や運用ハードルがめちゃくちゃ高いので…。
結果的に破綻しちゃうくらいなら、しっかりと目の前のクリエイターと向き合ってグロースさせていく方が中長期的な目線だと最善の一手だと今は確信しています。
LIVER TANKENTAI 編集部
飯田さんは具体的にどのような業務を担当しているのでしょう?
飯田
インフルエンサー領域やライブ配信市場を通じて得たマーケティングの経験とスキルを通じて、 テクノロジーでタレントや演者をアップデートすることを目指し、ネットとリアルにまたがる「拡散」の創出をしています。
LIVER TANKENTAI 編集部
テクノロジーによるアップデート…?
飯田
例えばですが、コロナ禍で無観客ライブなるコンテンツが台頭しましたが、主催者側にできる演出には限度があるんです。
ファンにとって良質なものを提供するための工夫を総称して、我々はテクノロジーと呼んでいます。
LIVER TANKENTAI 編集部
ライバーに求める条件はありますか?
飯田
以前これを言ったら炎上したんですが、僕は1日10時間を週6でやれって言っています。
芸能人ですらもっと努力しているのに、訓練も受けていなくて見た目も劣る素人が勝ち上がるためにはそれ以上の努力をするしかない。
僕が担当したライバーの中には、月に300時間配信して結果をもぎ取った人もいます。
LIVER TANKENTAI 編集部
月に300時間はかなりハードですね(汗)。
飯田
配信を毎日することでライバーもリスナーも習慣化するし、それをやり切るモチベーションがないと我々もプロデュースしないです。
彼氏ができたからやめます、みたいな軽い気持ちでこられても困るし、まぁ配信時間に関してはちょっと大袈裟ですが要は覚悟の問題です。
こんな調子なんで、圧迫面接すぎて最初は怖かったって言われたこともいっぱいありますよ(笑)。
LIVER TANKENTAI 編集部
これまでたくさんのライバーと接してきたと思いますが、ライブ配信に向いている人はいますか?
飯田
ライブ配信では「斜め向かいの理論」が大切です。
LIVER TANKENTAI 編集部
詳しく聞きたいです!
飯田
例えば、僕が岡田さんをゴハンに誘ったとしましょう。そこには共通の知人と、僕の同級生がいた。
最初は楽しめていたけど岡田さん以外の3人にしか分からない会話が始まっちゃって、1人だけ置いてけぼりになったことはありませんか?
LIVER TANKENTAI 編集部
あります…。いわゆる身内ネタってことですよね?
飯田
ライブ配信に向いているのは、ズバリ同級生の立場でありながら岡田さんを楽しませられる人なんです。
ライブ配信はリスナーの変動が著しいので、新しく自分の枠に入ってきた共通言語が構築されてない人を楽しませるトークやスキルは必須条件。
引き出しが多い人も有利です。
LIVER TANKENTAI 編集部
トークの切り返しがうまいみたいなことですか?
飯田
相手がいないと成立しないという意味で、トークの切り返しはそこまで重要ではないです。
例えば、あるクリエイターは耳コピができるので即興で弾き語りができるんですね。
そういった無限の引き出しを持っている人はハマりますよ。
LIVER TANKENTAI 編集部
どんな状況にも対応できる引き出しの多さが鍵なんですね。
飯田
一発芸とかって何回もやると既に見たことがある人は飽きてしまうけど、コミュニティの中の人も、初見の人も楽しめるようなコンテンツを持っている人ないしその目線に立てる人はライブ配信で活躍できます。
そういう意味でいうと表情がコロコロ変わる人も向いています。それだけでコンテンツになりうるので。
LIVER TANKENTAI 編集部
創業当時と比べて業界全体はどう変わったと感じますか?
飯田
芸能人の参入が増えたり、プラットフォームの数が増えたり参入障壁がかなり下がって身近なツールになったと感じています。
自分で言うのもアレですけど、1番最初に目をつけてここまでとにかく誠実にやってきた自負はあるので、社会的に認められたのは嬉しいです。
LIVER TANKENTAI 編集部
そんな苦労や壁にぶつかることがあっても続けてこられたモチベーションはありますか?
飯田
そもそも新しいことを始める上で、困難が付き物なことは想定内。やめようとは一切思わなかったですし、マイナス思考になったことはありません。
人と同じことはしたくない性格なので、この分野を極めてやろうという気持ちで自分を奮い立たせていました。
LIVER TANKENTAI 編集部
御社ならではのアピールポイントはありますか?
飯田
ライブ配信で集客できるライバーは少しずつ増えている印象ですが、その先の収益化するところまで出来ている人は少ない。
前提として本人のやる気次第な部分はありますが、マネタイズに関して弊社は強いと思います。
また、成果が出た事例においては事前の設計はもとより、事後にも徹底的に要素分解して言語化できているので知見として蓄積されています。
LIVER TANKENTAI 編集部
ライブ配信の醍醐味や面白さについて教えてください。
飯田
ライブ配信って身近さがキーワードになるコンテンツなんですよね。
歌やダンスなどの芸がうますぎてもギフトはなかなか飛ばないし、どこかアジがあったりコメントしたくなるような人の方が伸びる。
トークも同じくそうで、ツッコミどころがある方がリスナーは楽しめるんです。
LIVER TANKENTAI 編集部
バランスが難しいですね…。
飯田
でも、それが良さなんです!ライブ配信はリスナーありきの双方向コミュニケーションがコンテンツの基盤ですからね。
ただ、それもニッチになってきてる感じはします。一方通行で完成されたエンタメを見せるライバーも増えてきました。
個人的に好きなのは前者なんですが、素人ならではの「何が起こるか分からない」雰囲気が生放送ならではの醍醐味だと思います。
LIVER TANKENTAI 編集部
今後のライブ配信業界をどう盛り上げたいですか?
飯田
今、ちょうどライブ配信は一種のブームの真ん中にあると思っています。それを文化にしたいですね!
新しい業界にありがちなんですが、いわゆる詐欺師みたいな人がどんどん入ってきていて、治安が悪くなりつつある。
ライバーはそういう輩のオモチャではないので、イニシアティブを取らせないためにも長期的な成熟のために尽力したいですね。
LIVER TANKENTAI 編集部
最後に、ライブ配信に興味を持っている人たちに向けて一言お願いします。
飯田
まずは見てください。そして知ってください。
YouTuberやTVタレントが片手間でライブ配信をしていたフェーズから、今は職業として成立するまで社会的地位も上がってきています。
誰でも100%成功できるわけではありませんが、地盤が安定してきてこれから伸びる業界なのでライバーの未来は明るいですよ。
一緒に健全に盛り上げていきましょう。
ライブ配信のことを、人生を賭けて向き合いたい事業だと言っていた飯田さん。
彼の口から出る一見厳しく思える言葉もその責任感からきているのかもしれない。
健全にこの業界を大きくするという思想は共通なので、これからも一緒に取り組んでいければと思う。
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