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右の写真をクリックしてください。拡大写真を見ることができます。 3月10日、幕張メッセイベントホールでスタートした'99年のglobe全国ツアー「globe tour 1999 Relation」が、5月25日、国立代々木競技場第一体育館で幕を閉じた。アリーナ席中央までせり出し四角い穴が4つあいた、今までのglobeのライヴとは比べようもないほどシンプルなステージ。どんなライヴを見せてくれるのだろうか? 定時を少し回ったところで、客席のライトが落ち、ホラー映画のオープニングのようなBGMが流れてきた。オープニングは『DEPARTURES』。冬の曲らしく雪が舞い降りて、きてその雪がステージ上に消えていく様子は、夏が近づいてきていることを忘れてしまうほどリアルだ。そして、なんといきなり2曲目は、いつもライヴで一番の盛り上がりを見せる『SWEET PAIN』。まだ2曲目だというのに会場はかなりの盛り上がりだ。しかし…この後会場の誰もが予想していなかったことが起こったのだ。MARCのラップの途中で突然会場が真っ暗になり、演奏もストップ。静まり返った暗闇の中3人の名前を呼ぶ声だけが広い会場にこだまする。真っ暗闇の中に紫ライトがあたり、テーブルで身動き一つせずに何かを考え込むKEIKOの姿が浮かび上がった。 『自分が生活しているこの世界がホントに現実なのかなってよく考えますね。夜寝る時、ベットに入ってやっぱり考えちゃうんですよね。でも知らない間に寝ているんですよね。そんな風に寝ている時はきまって怖い夢を見ますね。』 テーブルの上のドリンクを飲み干し、ガラスの割れる音とともに倒れるKEIKO。暗い闇の中からだんだん恐怖が迫てっくるかの様に、徐々に早まっていくBGM。ここから誰もが想像していたステージとは全く違うステージが展開されたのだった。 いつもよりもダークな雰囲気の照明で始まった『letting out a deep breath』は、今考えるとこれから展開されるステージのプロローグに過ぎなかった。白い布を頭から被ってKEIKOが歌い始めたのは、『across the street,cross the water』。KEIKO同様に頭から白い布を被った物体が両サイドから歩いてきた。立ち止まった後全く動かないその物体の白い布をMARCがはぎ取っていく。出てきたのはなんとマネキン。そのマネキンがまた普通のマネキンではなく、体中が赤い斑点で覆われている宇宙人の様なマネキンだったのだ。続く『sweet heart』では、MARCがそのマネキンを蹴ったり投げたりしながらステージ中央の穴の中に落としていったりと、バイオレンス色が濃いステージが繰り広げられたのだった。 恐怖をあおる様に近未来的な低音を奏でたTKの電子オルガンソロの後は、『FACES PLACES』。何故か首にロープをつながれ状態で現れたMARC。動きまわろうとするがロープでつながれているので思うように身動きがとれない。自分の状況を嘆きながらも救いを求めるMARC。目の前にいるTKにも助けを求めるがTKは見て見ない振りで演奏を続けていく。ラップを熱唱している途中でとうとうそのロープは巻き上げられ、MARCは体は宙に。全く身動きをしないMARC。まるで公開死刑に立ち合っているかのようだ。 そして、脈が打つようなBGMに合わせて聞こえてきたMARCの声。 『怖い夢っていえば何回も追いかけられたりとか化け物がでたりとかいう夢なんだけど、自分が死ぬ夢や殺される夢って怖いですよね。後ろからナイフで刺されて血がどばーっとか出て、刺した相手の顔を見るとそれがまた自分だったりして。それで次の瞬間刺した自分が死体になってすごい後悔していて。汗びっしょりでがばっと起きる、そんなことってありますよね。』 『MISS YOUR BODY』に続き、『Anytime smokin' cigarette』では爆発音と共に一番手前の穴からすごい勢いで火柱があがり、それと同時に会場中から悲鳴が上がった。『like a snowy kiss』に続いては、白いコードを羽織り頭からフードをすっぽり被ったTKのピアノソロ。途中で力尽きたかのように全く動かないTKの頭上に、花葬を連想させるかのように色とりどりの花が舞い落ちてきた。そして『creamy day』。黒猫の目が映し出されたステージで、真っ白なドレスを着たKEIKOがステージ中央に設置されたスクリーンに囲まれ、回転しながら歌っていた。歌ってはいるものの全く動かず人形のようである。スクリーンがさがり、外にでてきて熱唱するKEIKOの真っ白なドレスに赤い点が浮かび上がる。それは見る見る間に大きくなって流れ出しドレスが赤く染まっていった。歌い終わったKEIKOは上半身たらんと前に倒したまま、ステージは暗闇に包まれた。 『I'm bad』のイントロが流れ始めると同時に骸骨が映し出され、そして電気イスに座らされたMARCと黒いコートを来たTKがステージに現れた。MARCの座っている椅子に電流が流れ煙があがる。フラフラになりながら力をふりしぼって歌うMARCだったが、十字架の形をしたオルガンの音色を聞きながらステージ上の穴に落ちてしまったのだった。 | TOP | NEXT | |
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