アルバム「BRING IN ON」は、FREAKの新しい試みと、彼らのルーツを突き詰めた作品になったと思います。

本人達の作詞作曲、トラックメイキングの成長ぶりには目を見張るものがありました。「Nasty Girl」や「My Everything」を聞いてもらえば、ただ綺麗に作り上げようというのではなく、荒削りでも自分達の考える理想に近づこうとする姿勢が、音から感じ取れるはずでしょう。

僕が作曲で関わった4曲はどれも思い入れが強いものばかりになりました。「Beautiful Sunday」は、自分たちの音楽性に自信があるからこそできた楽曲。ソウル、R&Bをルーツにしたアップチューンですが、聞く人によってはシンプルなポップソングかもしれません。この楽曲を録音することに、僕は正直躊躇したのですが、臆することなく伸び伸びと歌う４人に、僕の心配は杞憂だったと気づかされました。「どう思われるか」ではなく「何をしたいか」という気持ちに素直だった4人を、僕は誇らしく思います。

「No Half Steppin’」は前回のアルバム用に準備した曲でしたが、後のリリースにストックされることになり、このアルバムの1曲目に収録されました。彼らのシンガーとしての成長によってこの曲は想像以上に化けたと思います。イントロから4人の掛け合いで始まり、歌のフレージング、コーラスワーク、ラップまで、彼らの魅力を詰め込んだ楽曲に仕上がり、個人的にもこの曲がリリースされることが純粋に嬉しく思います。彼らのルーツである90年代R&Bへのオマージュとして、New Jack Swingを歌い上げる4人に是非注目してください。

そして、もう1曲、個人的に思い入れのあるのは「Cry For Me」です。男性R&BグループとしてのFREAKを全面に押し出したスローなR&B曲を作りたいという僕のプロデューサーとしての視点から制作が始まったこの曲でしたが、4人のR&Bへの熱い想いを音から感じてもらえるでしょう。ボーカル的にも要求したものが多かったですが、4人はしっかり応えてくれました。

アルバムが完成したばかりですが、すでに今後の制作が楽しみで仕方ありません。