NHKスペシャル 映像の世紀コンサート2017 Music by Takashi Kako
映像の世紀コンサートに寄せて 音楽・ピアノ 加古隆
「映像の世紀」のテーマ曲を作曲していた20年前。気に入ったメロディーは少し寂しげで、歴史ドキュメントにはふさわしくないと諦めかけていた。そこへ、目まぐるしく動きがある番組オープニング画面が届いたのだ。
そうだ!曲のテンポ感を変えて弾いてみよう。
こうして、人間の持つロマンと愚かさの両面にも通じるような曲となって、「パリは燃えているか」は誕生した。
「映像の世紀」「新・映像の世紀」で多くの曲が生まれ、私は本当に幸せだった。
言葉なき映像が、音楽をともなって生命を吹き込まれた物語となることもうれしいが、今度はそれをコンサートで体験できるとは!
オーケストラ版
公演日 <2017年> |
会場 | 開場 | 開演 | 料金 | リンク | 発売日 | お問い合わせ |
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9月2日(土) | 【東京】Bunkamuraオーチャードホール | 12:15 | 13:00 | 完売 | チケットスペース03-3234-9999 | ||
9月2日(土) | 【東京】Bunkamuraオーチャードホール | 16:15 | 17:00 | 完売 | チケットスペース03-3234-9999 |
クァルテット版
公演日 <2017年> |
会場 | 開場 | 開演 | 料金 | リンク | 発売日 | お問い合わせ |
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7月12日(水) | 【栃木】栃木県総合文化センター メインホール | 18:15 | 19:00 | 発売中 | チケットスペース03-3234-9999 |
※未就学児童のご入場はお断りいたします。
※演奏曲・曲順等は変更になる場合がございます。
NHKスペシャル「映像の世紀」(1995年~96年放送)
「新・映像の世紀」(2015年~2016年放送)音楽担当
加古 隆 Takashi Kako作曲家・ピアニスト
東京藝術大学・大学院作曲研究室修了後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に進み、オリヴィエ・メシアンに師事。現代音楽の勉学途上、1973年のパリでフリージャズ・ピアニストとしてデビューするという特異な経歴を持つ。76年に最高位の成績で音楽院を卒業。帰国後はオーケストラや様々な分野の作品、映画音楽、ドキュメント映像の作曲も数多く、ピアニストとしての音色の美しさから「ピアノの詩人」とも評される。2016年度(第68回)日本放送協会 放送文化賞を受賞。オフィシャルサイト:http://www.takashikako.com/
NHKスペシャル「映像の世紀」(2015年~16年放送)
ナレーション担当
山根基世 Motoyo Yamaneナレーション
早稲田大学卒業後、NHKに入局。多数の番組、ニュース、ナレーションを担当。2005年、女性として初のアナウンス室長。2007年、NHK退職後、「子どものことば」を育てることを目的に、LLP「ことばの杜」を設立。放送経験を生かして朗読、読み語り等、様々な活動を行った。2013年からは、地域作りと言葉教育を組み合わせた独自の活動を続けている。 2000年・放送文化基金賞受賞。TBS「半沢直樹」ナレーションなど、民放の番組も担当。
FM TOKYO「感じて、漢字の世界」毎週土曜日 JFN全国38局ネットで放送中。
オフィシャルサイト:http://www.yamane-motoyo.com/
オーケストラ版
岩村 力 Chikara Iwamura指揮
早稲田大学理工学部電子通信学科、および桐朋学園大学演奏学科を卒業。マスタープレイヤーズ指揮者コンクール優勝ほか数多くの国際コンクールにて入賞。これまでにハンガリー響、N響等内外のオーケストラを指揮するほか、アルゲリッチの要請によりパドヴァ室内管弦楽団と共演し国際的に活躍。2000-07年NHK交響楽団アシスタントコンダクター。2010年より兵庫芸術文化センター管弦楽団レジデント・コンダクター。2015年、兵庫県功労者表彰(文化功労)受賞。東京フィルハーモニー交響楽団
Tokyo Philharmonic Orchestra
1911年創立。約130名のメンバーを擁する、日本最古の歴史と伝統をもつオーケストラ。名誉音楽監督チョン・ミョンフン、首席指揮者はアンドレア・バッティストーニ、特別客演指揮者ミハイル・プレトニョフ。自主公演の他、新国立劇場などでのオペラ・バレエ演奏、NHK他の放送演奏など、高水準の演奏活動を展開。海外公演も積極的に行い、最近では日韓国交正常化50周年を記念し2015年12月にソウルと東京の2都市でソウル・フィルと合同演奏会を行った。
クァルテット版
相川麻里子 Mariko Aikawaヴァイオリン
全日本学生音楽コンクール小学生の部第1位。第4回ヴィニアフスキー国際コンクールジュニアの部第5位。第62回日本音楽コンクール第3位。東京藝大附属高校を経て東京藝術大学卒業。藝大在学中にパリ国立高等音楽院に首席入学、フランス政府給費留学生として留学。同音楽院を満場一致の1位を得て卒業後帰国。日本でのデビューリサイタル以降はジャンルにとらわれない演奏活動を展開。邦人作曲家の新曲演奏にも力を入れていて、現代音楽の録音にも多数参加。2015年12月にはソロアルバム「メロディ」を発表。2007年からはlive image ツアーにおいて、イマージュ・オーケストラのコンサートマスターを務めている。南かおり Kaori Minamiヴィオラ
京都市立堀川高校音楽科を経て、東京芸術大学音楽科を卒業。在学中より意欲的に室内楽を学び、パブロカルテット(弦楽四重奏団)を結成。水戸芸術館、みなとみらいホールなど各地でコンサートを開き好評を得る。名古屋国際室内楽フェスティバルに出演。室内楽を岡山潔氏、須藤三千代氏、北本秀樹氏、アマデウスカルテット各氏に師事。多数アーティストのレコーディングやコンサートツアーのサポートなどでも活動。2004年より加古隆とのデュエットなどコンサートに参加。植木昭雄 Akio Uekiチェロ
6歳よりチェロを始める。桐朋女子高等学校音楽科(共学)、桐朋学園大学、リヨン国立高等音楽院、インディアナ大学でチェロを学ぶ。日本室内楽コンクール入賞、日本音楽コンクールチェロ部門入選。ソニー音楽芸術振興会より第一回斎藤秀雄メモリアル基金賞受賞。ソロ、室内楽を中心に、サイトウキネン・オーケストラ、室内アンサンブル「ラ・ストラヴァガンツァ東京」、加古隆クァルテットのメンバーとしても活躍中。これまでにチェロを松波恵子、イヴァン・シフォロー、堤剛の各氏に師事。室内楽を原田幸一郎、ラヴェル・クァルテット、練木繁夫の各氏に師事。植木昭雄〜ラフマニノフ チェロ・ソナタ、The Short Story from Daddyの2枚のアルバムをリリース。羽毛田丈史 Takefumi Haketaシンセサイザー
作・編曲家、ピアニスト、プロデューサーとして、ゴンチチ、葉加瀬太郎、高嶋ちさ子、宮本笑里、LE VELVETS、中島美嘉、JUJUなどジャンルを問わず幅広いアーティストの作品を手掛ける一方、テレビドラマ、ドキュメンタリー、アニメ、映画などの映像音楽も担当し、多くのサントラ盤をリリースしている。最新作としては、NHKスペシャル「巨龍 中国」、3月公開の映画「ひるなかの流星」の音楽を担当。4月には、映像音楽をまとめたアルバム「PRESENTS Ⅴ」をリリース。オフィシャルサイト:http://www.haketa.jp/
今も流れ続ける「パリ燃え」 新・映像の世紀 プロデューサー 寺園慎一
NHKスペシャル「新・映像の世紀」は、2016年3月に全6本の放送を終えました。みなさんの中には、加古さんの音楽を聴きたさに、番組をご覧になっていた方も多いのではないでしょうか。私たち制作者も、加古さんのどの曲を、どの場面で流すかということに心を砕きました。特にオープニングとエンディングに流れる「パリは燃えているか」。あの曲のイントロが聞こえ始めるタイミングをどこに置くか、前後のナレーションをどういう文章にするのか、曲の聴かせどころを大切にしながら、どう隙間にナレーションを配置していくのか。「パリ燃え」は、番組の生命線でした。「映像は、人間の罪と勇気を照らし出す」。この番組に掲げたキャッチコピーです。
加古さんの音楽は、罪と勇気が同居する、人間の愚かさ、切なさ、すばらしさを見事に包み込んでくれました。放送から1年以上たちましたが、今も私の中では、満員電車に揺られている時とか、仕事を終え夜遅く、渋谷の喧噪を歩く時とか、日常のさまざまな場面で、「パリ燃え」が頭の中で流れ続けています。
それは、みなさんもきっと同じではないですか?