会場のライトが落ち、ステージが青いライトに包まれ4人のシルエットが浮かび上がった。
稲妻が走っているかの様なライトで一瞬ステージが明るくなり、4人の姿が見えたと思ったと同時にDA PUMP 1st STAGE"EXPRESSION"は幕を明けた。
オープニングは、いきなりDA PUMPファンじゃなくても誰もが知っているこの2曲、「ごきげんだぜっ!~Nothing But Something~」と「Love Is The Fainal Liberty」。最初から激しいダンスを繰り広げ、ステージの広さを再確認するかのよう右に左にと動き回る4人。でもよーく見てみると、4人ともいつもと同じように踊っているのに、顔の表情がかなり硬い。首から上と下が別人のよう。こんな4人を見たのは約1年前、デビュー直後に行われたヴェルファーレでのライヴ以来かもしれない。
『「From Summer time~It's All Right~」の時にデジカムで撮影しているのに気がついたよ。』とライヴ終了後にSHINOBUが言っていたように、4人が会場を見渡せるくらいに落ち着き始めたのは「From Summer time~It's All Right~」の時。
それを証明するかのように2回目のMCでは、自己紹介の後は会話があまり上手くかみ合っていなかった最初のMCよりリラックスしている雰囲気。リハーサル最終日にSHINOBUが『オレ、飛び込むから~!』と言ってスタジオの前にあった運河にパンツ1枚で猛ダッシュで突き進んで行ったものの警備員に止められてしまった話や、大阪城ホールの公演前日に大阪城にかかっている橋の上で花火をやっておまわりさんに注意されてしまった話などで会場を笑わせていた。
そしてしっとりと聴かせるナンバーが続いた後、衣装を替えて登場した4人。一人ずつステージの下から飛び出し、ダンサーと一緒にそれぞれの個性がハッキリとわかるようなダンスを披露。ここからはアップテンポでダンサブルな曲が続き、DA PUMPの曲の中でも特にファンからの支持率が高い「I like it.~You don't have to worry,baby」が始まった。ステージ後方からの白いライトの中に4人とダンサーのシルエットが浮かび上がった。イントロが流れ、この曲だとわかった瞬間、会場から歓声が沸き上がり、それと同時にステージ上のシルエットが一斉に動き出した。シングル曲以外のダンスはどんなのだろう?と楽しみにして来た人も多かったと思うが、特に一番人気のこの曲のダンスはかなり注目されていたはず。DA PUMPがダンサーと繰り広げるダイナミックなダンスは想像を遥かに越えるくらいとてもカッコイイ!
最後を締めたのはやっぱりこの曲、デビュー曲「Feelin' Good-It's PARADISE」。この会場で、DA PUMPの原点となるこの曲を知らない人は誰もいない。最初から最後まで、マイクを通しているはずのISSAの声がかき消されてしまうほどの大合唱で、ステージと客席がひとつになった。DA PUMPにとっても、会場にいる人にとてもやっぱりこの曲は特別な1曲なのだ。
『今日はありがとう!バイバイ』と名残惜しそうにステージから姿を消した4人だったが…。
こんなにかっこいいステージを見せられて、『もっともっと見たい!』と思わなかった人はいないはず。4人がステージから姿を消したのとほぼ同時に、アンコールを求める声が沸き上がった。
やまないアンコールの大合唱に応え、再びステージに登場した4人。なんとステージ両サイドに立っていた棒から消防士のように滑り降りてきての登場だ。
アンコールの1曲目「Coffee Scotch Mermaid~Bang!Bang!Boom!~」も終盤にさしかかった時、突如ステージ右手に3人の男が現れた。今回のツアーにコーラスとして参加しているBETCHIN'と、4人が最も尊敬しているアーティストm.c.A・T! 4人が沖縄にいた頃、曲をカバーしていたという有名な話があるくらい4人が憧れていたm.c.A・Tが突然ステージに現れたのだ。知っている人は知っていると思うが、実は「Coffee Scotch Mermaid~Bang!Bang!Boom!~」はm.c.A・Tのカバー曲。『オレの曲なんだから、オレが歌ってもいいんだよな。』というm.c.A・Tの一言で始まったm.c.A・TとDA PUMPのジョイントライヴ。m.c.A・TとISSAが肩を抱き合いながら熱唱する姿は会場に来ていたお客さんにとって夢のようなステージ。もちろん、4人にとっても夢のようなステージ。いつかm.c.A・Tとジョイントしたいと言っていた夢が実現したのだ。
そしてラストを飾った曲は「Stay Together」。かなり高音の曲だが、あの伸びやかな声で熱唱するISSAの歌声は、暑い会場にいながらもゾクゾクしてしまうほど。さらにYUKINARI、KEN、SHINOBUの奏でるあの高音のコーラスも生で聴くとかなりの迫力だ。しかし、突然ISSAの声がつまった。ISSAだけじゃなく4人とも感極まった表情だ。沖縄から出てきてから、ここまでの道のりを思い出したのだろうか? 辛い時も応援して支えてくれたファンの熱い想いを肌で感じたからなのだろうか? 嬉しいこと、辛いことも含め、ここまでがむしゃらに頑張ってきた4人だからこそ、言葉には表わせない思いが涙となって出てきたのだろう。
「Stay Together」が終わった後、4人を囲む様にステージ中央にバックバンド、ダンサー、そしてずっと長い間憧れていたm.c.A・Tが姿を現わした。目を潤ませながらも笑顔で肩を抱き合う4人。会場に足を運んでくれた人も、スタッフも、そしてDA PUMP自身も、誰もが認める最高のステージだった。
去年の今頃はヴェルファーレでライヴをしていた4人が、今年はこんなに広い会場を人で埋め尽くしてのライヴ。記者会見でこのことを予想していたと言っていたYUKINARI以外は『夢見ている感じ』と口を揃えて言っていたが、これは夢ではない。
来年の夏はもっとスゴイことが起こっているかもしれない。
このDA PUMP 1st STAGE "Expression"の模様を収めたライヴビデオが10月14日に発売されます。会場に足を運んでくれた人も、行きたかったけどチケットが手に入らなかったという人も、これは必見です!!
*このレポートは複数の会場のライヴを合わせたものです。