ヴィキングル・オラフソン ゴルトベルク|VIKINGUR OLAFSSON GOLDBERG VARIATIONS

グレン・グールド以来の衝撃!21世紀のピアノ界をリードする鬼才ヴィキングル・オラフソンがついにゴルトベルクに挑む!!

今から5年前の2018年、ヴィキングル・オラフソンが初めて日本でバッハを弾いた夜の興奮は、今でもはっきりと覚えている。ヴィキングルは、さまざまな前奏曲やカンタータを曲の長短に関係なく調性の連関によって独自に配列し、それらの小品を曲間なしに繋げて演奏していった。すると、バッハという名の川のせせらぎ(ドイツ語でBach)が切れ目なく押し寄せる大海の波へと変わり、モダン・ピアノ演奏のあらゆるテクニックを詰め込んだ巨大な音の大伽藍が目の前に現れた。彼のバッハの演奏では、40分近いピアノの大作を一気呵成に聴き通すボリューム感と、万華鏡のように色とりどりに変化していく小品を味わっていく繊細な喜びが、何の矛盾もなく共存していた。わかりやすく言えば、ヴィキングルは《ゴルトベルク変奏曲》の音符を1音も弾くことなしに、《ゴルトベルク変奏曲》でしか味わえないと思われてきた醍醐味を見事に表現していたのである! であるならば、実際に《ゴルトベルク変奏曲》を弾いたら、いったい何が起きるのだろうか。アリアと30の変奏からなるこの長大な変奏曲から、いったいどんなドラマを新たに見いだし、それを表現していくのだろうか。数年前からヴィキングルが準備していた《ゴルトベルク変奏曲》全曲演奏について、これだけは確実に言える。おそらくそれは、我々にコペルニクス的転回を迫るような演奏、バッハという作曲家そのものや《ゴルトベルク変奏曲》という曲そのものの見方が完全に変わってしまうような演奏となるだろう。歴史的大事件を目撃する機会を、逃してはならない。

── 前島秀国(サウンド&ヴィジュアル・ライター)

SCHEDULE|スケジュール

PROFILE|プロフィール

ヴィキングル・オラフソン

ヴィキングル・オラフソン(ピアノ)Víkingur Ólafsson, piano

アイスランド出身で、現在、最も注目されているアーティストのひとりであるピアニスト、ヴィキングル・オラフソンは、最高レベルの音楽性と先見性のあるプログラムを見事に融合させ、来世界中の音楽ファンに深いインパクトを与え続けている。ドイツ・グラモフォンに録音したフィリップ・グラス・ピアノ作品集(2017)、ヨハン・セバスチャン・バッハ作品集(2018)、ドビュッシー&ラモー(2020)、モーツァルト&コンテンポラリー(2021)は、聴衆と評論家の想像力を捉え、4億回以上のストリーム再生を誇り、ジェルジュ・クルターグの作品を中心にした最新アルバム『From Afar』も高い注目を集めている。

すでに、世界のトップ・オーケストラ、コンサートホール、フェスティバルで高い成功を収めており、コンテンポラリーな作品の演奏でも高い評価を得ている。2022/23シーズンには、フィルハーモニア管、コンセルトヘボウ管、チェコ・フィル、ニューヨーク・フィル、ベルリン・フィル、クリーブランド管、ロンドン・フィル、ベルゲン・フィル、トロント・フィル、モントリオール響など世界の一流オーケストラとの共演を行っているほか、彼の才能は舞台芸術のみならずテレビとラジオでいくつかの自作シリーズを発表しており、BBCラジオ4の主要な芸術番組「Front Row」で3ヶ月間アーティスト・イン・レジデンスを務め、レイキャビックのハルパ・コンサートホールからロックダウン中に生放送を行い、世界中の数百万人のリスナーに届けた。これまでに、ショック賞(スウェーデン)、「グラモフォン」アーティスト・オブ・ザ・イヤー(イギリス)、オーパスクラシック賞(ドイツ)、「BBCミュージック・マガジン」アルバム・オブ・ザ・イヤー(イギリス)など世界各国で複数の賞を受賞。

清水靖晃

清水靖晃 (作曲家、サキソフォン奏者、音楽プロデューサー) Yasuaki Shimizu, composer, saxophonist, producer

1983年に「サキソフォネッツ」名義のソロプロジェクトを開始。90年代後半、J.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲」をテナーサキソフォンの為に編曲演奏した『チェロ・スウィーツ』はクラシックというジャンルの垣根を越えて高い評価を獲得。ミニアルバム『バッハ・ボックス』(97)でレコード大賞企画賞を受賞した。2007年、清水がこだわり続けていた「五音音階から放たれる粋」を趣旨としたアルバム『ペンタトニカ』を発表、この時、林田祐和、江川良子、東涼太、鈴木広志の4人を加え新生サキソフォネッツが誕生。2010年には、サキソフォンクインテットと4本のコントラバスという斬新な編成で編曲したバッハ「ゴルトベルク変奏曲」を初演。その後も編曲に変化を加え、アルバム『ゴルトベルク・ヴァリエーションズ』(15)に結実。テレビ東京番組「東急ジルベスターコンサート2018-2019」では、当時渋谷駅再開発中だった地下大残響空間から、新年におくる前奏曲、バッハ『無伴奏チェロ組曲1番:プレリュード」を演奏し、視聴者を釘付けにした。

また、自作品のみならず、様々なアーティストのプロデュースも手掛ける一方、映画やテレビドラマの音楽制作も多数。NHKドラマ『透明なゆりかご』(18)、『空白を満たしなさい』(22)ほか、第86回アカデミー賞ノミネート作品『キューティー&ボクサー』(13年)では、シネマ・アイ・オナーズで作曲賞を受賞している。

RELEASE INFORMATION|リリース情報

ヴィキングル・オラフソン『J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲』 
2023年10月6日 (金)発売
MQA/UHQ-CD UCCG-45082
定価¥3,080(本体 ¥2,800 税率 10%)
視聴・ご予約はこちら:
https://Vikingur.lnk.to/GoldbergVariations

収録曲

ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)
1-32. ゴルトベルク変奏曲 BWV988
ヴィキングル・オラフソン(ピアノ)
録音:2023年4月 アイスランド

ヴィキングル・オラフソン『J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲』
清水靖晃&サキソフォネッツ 『ゴルトベルク・ヴァリエーションズ』
好評発売中
AVCL-25869
定価:¥3,300(税抜¥3,000)
購入・ダウンロードはこちらから:
https://avex.lnk.to/shimizu_yasuakiWE

収録曲

ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)
1-32. ゴルトベルク変奏曲 BWV988
清水靖晃:テナーサキソフォン
林田祐和:ソプラノ、アルトサキソフォン
江川良子:アルト、ソプラノサキソフォン
東 涼太:バリトンサキソフォン
鈴木広志 :バリトン、テナー、アルトサキソフォン
佐々木大輔、中村尚子、宮坂典幸、倉持敦:コントラバス
録音:2014年7月 サラマンカホール、岐阜

[SACD-Hybrid] ゴルトベルク・ヴァリエーションズ