高木綾子は、確かなテクニックと、個性溢れる音色、ジャンルを超えた音楽性で、今最も注目を集める実力派フルート奏者である。テレビ・ラジオへの出演やCM出演など従来のクラシック演奏家の枠にとらわれない幅広い活動とレパートリーで各方面から注目を集めている。

 愛知県豊田市生まれ。3歳よりピアノ、8歳よりフルートを始める。東京芸術大学付属高校、東京芸術大学を経て、同大学院修了。これまでにフルートを西村智江、橋本量至、G.ノアック、小坂哲也、村上成美、金昌国、P.マイゼンの各氏に、室内楽を岡崎耕治氏に師事。

 高校、大学在学中よりその実力は高く評価されており、毎日新聞社主催全日本学生音楽コンクール東京大会第1位(1995年)、神戸国際フルートコンクール奨励賞(1997年)、大学内にてNTT Docomo奨学金を受け、安宅賞(1997年)、宝塚べガコンクール優勝(1999年)、日本フルートコンベンションコンクール優勝、併せてオーディエンス賞(1999年)、第17回日本管打楽器コンクール、フルート部門第1位及び特別賞(2000年)、第70回日本音楽コンクールフルート部門第1位(2001年)、第12回新日鐵音楽賞フレッシュアーティスト賞(2001年) 、ジャン=ピエール・ランパル国際フルートコンクール第3位(2005年)、神戸国際フルートコンクール第3位(2005年)など多数の受賞歴を誇る。

 一方で、大学在学中より本格的な演奏活動を開始。これまでに国内主要オーケストラとの共演はもとより、新イタリア合奏団、シュトゥットガルト室内管弦楽団、ミラノ弦楽合奏団、サンクトペテルブルク交響楽団、フランツ・リスト室内管弦楽団などと共演。2004年秋にはパリ室内管弦楽団との共演でパリ・デビュー。それに続く日本ツアーにも同行し好評を博した。同時に各地でのリサイタルや室内楽など活発な演奏活動を行っている。2010年には、デビュー10周年を迎え、秋に記念リサイタルを行った。

 CD録音も活発に行っており、2000年3月には「シシリエンヌ~フルート名曲集」、「卒業写真~プレイズ・ユーミン・オン・フルート」を同時リリースしてCDデビュー。その後、「ジェントル・ドリームズ~20世紀のフルート音楽」、「青春の輝き~プレイズ・カーペンターズ」を同時リリース、クラシックからボサノバまでラテンアメリカの作品を集めた「南の想い」、17世紀から現代までのフルート・ソロ曲を集めた「エール・ブルー~青の余白」、イタリアで収録した新イタリア合奏団との共演による初めての協奏曲アルバム「イタリア」、大地、自然、生命の息吹をテーマにしたフルート名曲集「EARTH」、ギターの福田進一とのデュオアルバム「海へ」をリリースしてそのすべてが高い評価とセールス実績を残している。2010年には、デビュー10周年を記念して、ベスト盤(日本コロムビア)とモーツァルト:フルート協奏曲集(エイべックス・クラシックス)をリリース。2011年7月には、モーツァルトのフルート四重奏曲全曲集(エイベックス・クラシックス)よりリリースして好評を博す。                   

 現在東京藝術大学准教授、および洗足学園大学客員教授、日本大学藝術学部、武蔵野音楽大学の非常勤講師として後進の指導にもあたっている。