MOVIE
CONCEPT
今もなお進化し続けている。
数々のタイアップソングと国内外で披露された最新楽曲が集約され、POPSやEDMだけじゃなく、イージーリスニングや現代音楽までがこの一枚に。小室哲哉のマルチな活動、さらにはとにかく音楽に造詣が深い部分、幅の広さを見せる作品となっている。
約3年ぶりの小室哲哉ソロアルバム新シリーズ第1弾。
INTERVIEW
初回盤フォトブックに掲載されるロンドンで行われた3時間、約2万文字のインタビューの一部を期間限定公開
が誕生した時代背景
ーー『Tetsuya Komuro JOBS#1』は、2010年代のTKワークを記録する作品集になったと思います。これまでソロアルバム『Digitalian is eating breakfast』シリーズであったり、通常のソロアルバムとはちょっとスタイルが違うと思いますが、小室さんの中ではどんなポジションの作品となりましたか?
小室 そうだね。前回が『TETSUYA KOMURO EDM TOKYO』なので3年ぶりなんですよ。定期的に出していた印象はあるんだけど、間が空いたね。その間、クライアント・ワークが多くて、ちょっと忙しかったかな。
ーーTM NETWORK 30周年、globe20周年プロジェクトもありましたからね。
小室 作品を作り込んでアルバムにするっていうタイミングがなかったのが、まず一番ですね。それと、全然DJじゃないんだけど、全国からいろいろ皆さんからのリクエストもあって、いろいろクラブを回って。どこもソールドアウトみたいな状況だったんですけど。DJ的なライブをやらせていただいて。何となく一巡したかなっていう感じがあったんです。本職のDJではないから、それがルーティンワークではないからね。
ーーはい。流れの変化というわけですね。
小室 ちょっと違う流れに2016年の秋ぐらいからなってきたっていう感じですね。なので、タイトルも含めて一度ちょっとシリーズをまとめるというか、1回取りあえず終わらせるっていう感じですかね。
ーー記録としてまとめておこうという。
小室 うん。で、その間にいろんな仕事としてやってきた、まさにワークスだから『JOBS』だよねって。ジョブとして、いろんな方面からお声をかけていただいたというのが言葉として一番正しいとは思うんだけれども。
※続きはフォトブックでお楽しみください。
音楽の楽しみ方の変化
--今回、アルバム『Tetsuya Komuro JOBS#1』を客観的に聴かれてみていかがでしたか?
小室 たぶん21世紀型なスタイルだと思いますね。いわゆるサブスク(定額制音楽配信)っていうのとアラカルト(単曲)っていう言葉なんていうのは、これまで音楽シーンで誰も使ってこなかったと思うんだよね。ここ数年でしょ? まさかアラカルトみたいな言葉が音楽で出てくるとはね。なので、プレイリストだったり、アラカルトっていう時代に合ったアルバムだと思うね。
--そうですね。アラカルトの集合体である作品集というスタイル。
小室 あれほど曲順にこだわって、1曲目は何にして、エンディングは何にしてみたいなこと、アルバム『CAROL ~A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991~』(1988年)など、レコードのA面B面ってことまで一生懸命考えていた時代があった僕たちなんだけれども。それが良くも悪くも“やっぱりこの曲を聞きたいよね!”っていう考え方でアルバムの中から好きな曲だけをピックアップされて。その曲が良かったら“もしかしたらこの曲もいいんじゃない?”みたいなスタイルに変わったからね。そんな聴き方をする子たちが圧倒的に増えてきたと思いますし。“僕はアルバムを買って1曲目からエンディングまでちゃんと聴きます”っていう人たちもたくさんいるんだろうけれども。でも、そのたくさんっていうのは、もしかしたら大半を占めるというたくさんではないんだろうね。
--もともと小室さんも予言されてましたけど、iTunesという音楽プレイヤーとiPod誕生、iPhoneの普及で音楽の楽しみ方がガラッと変わりましたね。
小室 なので、まさに今どきな感じというか。作り手側も“1曲目をどうしよう?”って、あまり深く考えないと思うんだよね。
--自分で曲順をお好みで選び直せるプレイリスト時代ですからね。
小室 アルバムで“お~、これが1曲目に来たのか”みたいなことを、ふくりゅうさんも考えないだろうし、自分でもそんなに、これを1曲目にしてエンディングはこれで、みたいなことはあまり考えなくなるのかな。
--今っぽいスタイルってことですね。
小室 そうだね。今っぽいスタイルをそのままアルバムの形にあらわした作品かもしれないね。それこそ、2017年という意味でいうと、上期と下期みたいな感じで分けると、秋以降は、またちょっと大きな違った動きをする予定があります。またそのときはそのときにお話ししますね。ちゃんと。
--それは楽しみですね。
小室 アルバム『Tetsuya Komuro JOBS#1』は、なんとなく前半っていう感じなんです。だから、これだけじゃないんですね。2017年の前半を象徴する作品っていうイメージだと思ってくれれば。
※続きはフォトブックでお楽しみください。ウォーミングアップ
--アルバムに至るまでの2016年を、ちょっと振り返らせていただきたいんですが、globe20周年と、あと小室さんのテレビ番組への露出がすごい多い年だったと思うんですが、小室さんにとって2016年はどんな年でしたか?
小室 そうですね。当たり前だけど、自分からテレビに出たいと思って出れるものでもなくて、何となくテレビを作っている人たちの世代とマッチングが良かったんじゃないかなと思いますね。
--2016年12月16日の『another sky-アナザースカイ-』や、2017年1月10日に放送された『マツコの知らない世界』もそうですよね。この2本は特に素晴らしかったです。それこそ、マツコ・デラックスさんはTK大ファンでお詳しい方ですから。
小室 そうだね。80年代〜90年代。その約20年ぐらいを青春時代として多感な時期を生息してきた人たちが、いわゆるメディアとしてのテレビっていうものを、なんて言うのかな、生業としているというか。そういう人がスタッフになる時代になったのかな。それで呼んでもらえる機会がまた増えてきたんだろうね。
--そんな意味では、その時代を生きた方々の注目ポイントとしては、TKのさらなるネクスト、2015年の3月の横浜アリーナ公演『TM NETWORK 30th FINAL』最終日をもって活動休止したTM NETWORKの再始動も気になるところです。2017年はいかがでしょうか?
小室 僕なりにいろいろこれからできることは考えています。時間もないし、やれることってだんだん限られてくると思うんですよ。
※続きはフォトブックでお楽しみください。全曲解説
Disc1 M04.#RUN
--TK、神田沙也加、tofubeatsとの異色コラボレーションということで胸が高まりました。気鋭のトラックメーカーであるtofubeatsを起用することになったきっかけは?
小室 tofu君は2年前ぐらいに『COUNTDOWN JAPAN』での対談取材で初めて会いました。トラックメーカー第1世代が僕だとしたら、第2世代が浅倉大介で、第3世代が中田ヤスタカ君とかなんですよね。tofubeatsはその次の世代ぐらいなのかな。
--そうですね。トラックメーカーの系譜はおもしろいですね。
小室 僕からすると、何となくtofu君は第4世代みたいな印象で。それこそ、DTMの進化もあって、僕にとってシンセサイザーという音楽を制作するツールが、彼でいうところのWindows95なんですよね。パソコンやネットがあって当たり前の世代。Windows95っていうのは22年前だから最近ではないけど、とはいってもレトロな感じはしないよね。彼らからしたらそれが一番の衝撃だったと思うんです。僕が、小学生のころに1970年の大阪万博で冨田勲さんによるシンセサイザーを使った楽曲を聴いたインパクトと同じような体験だったのかもしれないね。
--TKソングに歌声がハマっていた神田沙也加さんの印象は?
小室 ONE OK ROCKのTAKAさんもそうだし、MY FIRST STORYのヴォーカルの子もそうだし。いわゆるDNAを受け継いだ2世の活躍はすごいよね。宇多田ヒカルさんもそうだし。70年代から音楽業界が加速度的に大きくなってきたとしたら、そのDNAの拡散は続いているわけだよね。
--多いですね。ダウンタウンのハマちゃん(浜田雅功)の息子がロックバンド、OKAMOTO'Sのベーシストな時代ですもんね。
小室 そうそう。実はっていう人がすごい多いので正直びっくりしてますね。神田沙也加さんはわかりやすい例だよね。本来なら、ヴォーカリストとして宇多田ヒカルさんと双璧を成すような存在だと僕は思ってますから。
※続きはフォトブックでお楽しみください。PHOTO
初回盤フォトブックには2012年から撮り続けられ数万枚に及ぶ写真データの中からセレクトされた約400点が掲載
RELEASE INFORMATION
COMMENT
CREDIT
All Produced by Tetsuya Komuro
Prodused by Daisuke Hinata[CD1 / M01, M02]
Mixed by
Dave [CD1 / M01, M03, M05, M06, CD2 / M01, M02, M03, M04, M06]
Tetsuya Komuro [CD1 / M02, M08]
tofubeats [CD1 / M04]
Masatake Ohsato [CD1 / M07]
Neeraj Khajanchi [CD1 / M09]
Hironobu Aasano / Rederine [CD2 / M05]
Mastered by Yasuji Maeda @ Bernie Grundman Mastering Studio
Manipulated by Toshihide Iwasa
Assistant Engineer
Toshi Minesaki, Connor Panayi (RAK Studios)
Guest Vocal
Ruby King [CD1 / M06, CD2 / M03]
Chorus
Monna.Def Will [CD2 / M03]
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DVD Visual Product
Producer
Asako Tsutsumi / avex music creative inc.
Camera
Aya Asanuma / IMAGEDIVICE
Ayumi Tada / IMAGEDIVICE
Yuki Yabumi / IMAGEDIVICE
Production Assistant
Aina Watanabe / avex music creative inc.
Director
Hiroyuki Abe / avex music creative inc.
Visual Arts
Akira Wakita
Masayuki Iwamoto
Akira Wakita's Visual Arts Supported by
ソフトウェア開発補助:山辺真幸 (Masaki Yamabe)
データ提供:国立研究開発法人海洋研究開発機構 (JAMSTEC) (「地球シミュレータ」によって計算された超高解像度海洋大循環モデルOFESデータを利用)
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Photobook
Direction
Shinya Yoshino(Bavic)
Photographer
Naoya Munemura / avex music creative inc.
Interview&Text
Fukuryu(music concierge)/ Chapter 1&2
Interview
Nao Yamamoto(Rittor Music inc.)/ Chapter 3
Text
Fukuryu(music concierge)/ Chapter 3
Editor
Kuniaki Negishi(KADOKAWA)
Yuka Okubo
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Art Direction & Design
Teppei Imagawa
Photographer
Naoya Munemura / avex music creative inc.
Management for Tetsuya Komuro
Noboru Ohtake / a nine Inc.
Tadayoshi Matsuzaka / avex management inc.
A&R
Yu Ishii / avex music creative inc.
A&R Desk
Hanako Kimura / avex music creative inc.
Mie Takayama / avex music creative inc.
A&R Supervisor
Tatsuya Ikeda / avex music creative inc.
Junichiro Kawata / avex music creative inc.
Social Media Director:
Naoya Munemura / avex music creative inc.
Media Promotion:
All of Media Promotion Staff / avex music creative inc.
Sales Promotion:
Ayako Murakami & All of Sales Promotion Staff / avex music creative inc.
Package Coordination:
Nanami Takahashi / avex group holdings inc.
General Producer:
Hiroaki Ito / avex management inc.
Shintaro Higuchi / avex music creative inc.
Hidetomo Yoneda / avex music creative inc.
Daisuke Shimokawa / avex music creative inc.
Harumasa Maeda / avex management inc.
Executive Supervisor:
Shinji Hayashi / avex group
Executive Producer:
masato matsuura / avex group
幼少期、バッハの練習をサボって、ヘッドホンをつけて耳コピし、電子ピアノで弾いたglobeが私のベースなので、至高のお仕事でした。高田賢三さんとセブン&アイさんコラボのお洋服のCM曲で、私らしく21世紀の新鮮な息を吹き込めるよう歌いました。聴くだけでオシャレをしたように、フランスにいるような優しい華やかさを味わえる曲です。