『Please call me! - 20152018 - 』コメント
7月4日配信スタートしたプレイリスト・アルバム『Please call me! - 20152018-』について、“音楽ライター・評論家”の皆様からコメントをいただきました。※随時更新
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“アイドル戦国時代”から飛び出し、今ではセルフプロデュースで自分たちの魅力を表現し続けるcallmeは、
“若くして表舞台で脚光を浴びた女性アーティストがいかにキャリアを築いていくか”という永遠の問いに対する
ひとつの回答を示していると思います。
グローバルな潮流とのリンクも感じさせながら(彼女たち選曲のSpotifyプレイリストからもそんな意識が垣間見えます)
かっこよさとかわいさの同居した楽曲を生み出す、というなかなか難しいトライをさらっとやってのけている3人が非常に頼もしいです。
『Please callme! -20152018-』はそんな彼女たちの足跡を存分に楽しむことのできる作品なんですが…
唯一残念だったのが、先日聴いてすっかりお気に入りになってしまった「You’ll be fine」が収録されていないこと!
メロウな中にダンサブルなムードをうまく混ぜ込んだああいう楽曲のラインもこの先突き詰めていってほしいです。
さらにユニークな存在になっていくことを楽しみにしています。
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アルバム1曲目「Confession」の耳に残るピアノフレーズからはじまるイントロを聴いた時、これまで聴いてきた
5,000曲近いヒット曲イントロの、どのアレンジや音色、展開にもあてはまらない、とても斬新でインパクトがある
素晴らしいイントロだなと衝撃をうけました。
「Confession」だけじゃなく、2曲目「In my dream」の、あえてパッションをグッと抑えて弾いているギターイントロ。
4曲目「Way I am」の♪I Can be the way~と歌いだす後ろで奏でられる手拍子とピアノが重なってくるエモーショナルなイントロ。
9曲目「All I need」の、サビまで盛り上がっていく展開がアタマの2秒で創造できるワクワクがとまらないイントロ。
この3曲も抜群にカッコよかったです。
他の曲も紹介したいのですが、特に印象に残ったのはこの4曲。
とりあえず聴いてみようかな!?と思っている方、まずはこの4曲のイントロだけでもよかったら聴いてみてください。
サビまで一気に聴いてcallmeが大好きになっちゃうと思います。
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言葉の表現が難しいですが、なんだか未来的だけど温かみを感じます。 歌詞は女の子っぽくて可愛いらしいのに
曲調はかっこよくて ギャップを感じました。 邦楽でもなく洋楽でもない雰囲気が新鮮でした。
全く予測ができないメロディーラインで聴くと癖になってしまうような感覚がありました。
女の子だったら朝のお化粧している時に聴くとお化粧のノリも良くなるかも。。。笑
ポップでワクワクするので友達とみんなでドライブをする時などにピッタリだと思います。
私は「I’m alone」が特に好きです。
ピアノの入りからかっこよくてビリビリしびれました。 ジャズっぽくて踊りだしたくなります。
普段、私は映像制作をしているのでBGMに挿入させて頂きたいです!
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2015年10月にリリースされた1stアルバム『Who is callme?』。
アイドルのアルバムとしては明らかに異質なジャケットのデザインも相当なインパクトでしたが、
5曲目にクレジットされた「Precious」のイントロを聴いた瞬間に”callmeはここまでやるのか!?”という衝撃を
受けたのを今でも鮮明に覚えています。
callmeの楽曲というと「I’m alone」のピアノアレンジに代表される弾むようなグルーヴが印象的だった中で、
「Precious」の艷やかで甘美なフロウはKOUMI、MIMORI、RUUNAがそれまで露わにしてこなかった”大人の女性”を
感じさせるジャジーなヒップホップ。
同じ時代を歩む他のアイドルの楽曲とも明らかに一線を画し、”callmeは背伸びしているのではなく、
そもそも目指しているところが違う”というグループのアイデンティティを強く感じたのがこの1曲でした。
アイドルにとっては大きな武器にもなりうる”甘さ”を一切排除したスタイルを貫き続けるcallme。
そのスタイルは、音作りはもちろん、衣装やアートワーク、そしてステージで見せるパフォーマンスでも一貫されています。
ただし、時としてそのあり方は彼女たちが主戦場とするアイドルシーンから逸脱しているように見えることも少なくありません。
そういったcallmeの存在がシーンに多様性をもたらしていることも確かですが、同時に非常にチャレンジングで有る
ことも間違いありません。
そんなcallmeが自分たちのスタイルを貫き続けたアーカイブスが、この『Please callme! -20152018-』という
プレイリストアルバムに詰まっています。
そしてM6にはあの「Precious」も…。
時が経ってもいまだ尚色褪せない3人のフロウを是非味わってみてください。
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“アイドルと音楽ストリーミング”の世界は未だに未知数だ。
世界ではすでにストリーミングが主流になりつつある一方、CDファーストが売りのアイドルたちが音楽市場を制覇している今の日本において、callmeのプレイリスト・アルバムは異質な作品に見えてくる。
しかし、ファンに聴かせることを念頭に置いた『Please callme! -20152018-』は、国や都市を問わずストリーミングを聴くことが、これからのアイドルの応援スタイルであることを示唆している。
“音楽ストリーミング発アイドル”といって片付けてしまうには勿体無い。ネット世代のアーティストが出てきた時代のような、“今っぽさ”が感じられる。
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ナカコーことKoji Nakamuraのプロジェクト“Epitaph”
やサニーデイ・サービスのアルバム『the CITY』を解体・再構築したプレイリスト『the SEA』など、革新的なプレイリストの使い方が登場するなか、c
allmeがそこへ“プレイリスト・アルバム”で殴り込む。
選び抜かれた既発曲も良いのだが、やはりChocoholic、
有機酸、Aiobahnと、
インターネット上でその手腕が評価されているリミキサーを迎えた
新録曲が秀逸。
和モノエレポップな「I’m alone (有機酸remix)」、鮮やかなFuture Bassの「In my dream (Chocoholic remix)」も魅力的ではあるものの、筆者の一押しはNigh
tcore的なピッチの上がり具合が気持ち良い「Hello No Buddy (Aiobahn remix)」。
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彼女たちが以前所属していたグループの作品は愛聴、callmeは今回のプレイリスト・アルバムからちゃんと聴き始めたというスタンスという前提で。 とにかく全編通してバランスがいい。バラエティに富んでいるけど統一感もあって、極端に振れすぎない程度に留めたエッジーさも適度にまぶされてと、センスのある穏当な着地(これは開かれたポップソングの必要条件だと思ってます) ができるスキルを持っているのは本当に凄いです。本物のセルフプロデュース能力があるんだろうと。
これは、3人のセンスはもちろん前提として、トラックメイキング(と、おそらくアレンジも)を担当しているRumb氏との足並みもちゃんとそろってるって事なんだろう。でも…だからこそメンバー3人完全DIYの、もっと踏み込んで言うとミクステ(ミックステープ)のリリースを希望したい。ガレバン(ガレージバンド)のプリセット音源とPCについてるマイクとかでもいい。ビートを買ってもいいしフリーのビート使ってもいい。オリジナルでなくても、カバーでもビートジャックでもいいから、プレイリストからもわかる音楽大好き感がそのまま創作に直結しちゃった、みたいな作品を是非一枚だけでも。ついでに3人だけでアイデア練って作ったMVもあればなお良し。色々な枷はあると思うけど、すぐ戻してもいいからちょっと一旦外してみて欲しい。スタッフと本人たちの英断個人的に待ってます(でも、いや今のが超むき出しなんだよってことでしたら先に謝っておきます)。
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音楽配信サブスクリプションサービスの登場で、アメリカは音楽業界がV字以上の回復をしているそうですが、毎週のように刺激的な話題作が発表されて、社会現象になることも多く、そういう現状をいちリスナーとして追っつかないほどおもしろい時代がやってきたと嬉々としているところです。そういう中で、callmeは「プレイリスト・アルバム」をリリースするというから、まずは、いいぞ! と心が踊るわけで。同時に、メンバーが楽曲をセレクトしたプレイリスト『callme Maybe ~遊びに行こうよ~』や楽曲解説を収録した『Please callme! -20152018-:メンバー副音声解説ver』を発表したというのも興味深いです。彼女たちが洋楽のトレンドをどう吸収し、どういう思いで楽曲を作っていったのか、頭の中にある妄想とリアリティが垣間見られます。こういう話に意味があるのは、曲がいい! おもしろい! ということに他ならないと思いますが(特に「Sing along」とか「Hello No Buddy」が好き)、本編ラストの「It’s own way」では、callmeのここまでの音楽活動人生のエモみが詰まった10分の大作まで。このまま、独自の進化をとげてほしいです。
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再生した瞬間から自分のまわりにバリアを作ってくれるような、楽曲の“無敵感”が好き。
「こうなりたい」「こう見せたい」というヴィジョンがバシッと同じ方向を向いている、そこも潔くて好き。
惹かれる理由はたくさん見つかりますが、女性アーティストが大人になっていく過程において、誰かのうしろをついていくことを選ばずに自分たちで道を作っていくその姿勢に、同性として共感とリスペクトを寄せている部分も大きいと思います。
それから、ひとりひとりが優れたアンテナを持つリスナーとして国境やジャンルを超えて音を吸収し、それを自分たちなりに解釈してcallmeの音楽に落とし込んでいくセンスの良さとバランス感覚にはいつも唸らされています。 グループを前へ進めているエネルギーの根っこに音楽ファンとしてのピュアな心意気を感じられ、それゆえにこちらのプッシュする手にも一層力が入るのです。 作詞・作曲を自分たちで行うセルフ・プロデュース・ユニットとして、自分たちの可能性だけではなく、シーンの中での多様性も押し広げているcallmeの姿は本当にクールだと思います。
その中で彼女たちがしているソングライティングというのは、自身の体験を歌う以上に、誰かの人生に寄り添うことに近しい行為なのかなと想像します。 女性アーティストのさだめとして、特に作詞の面では詮索の目にさらされ不自由に感じることもあるかもしれませんし、立場上「これは想像から生まれた詞」とエクスキューズしたくなることもあると思うけれど、気にせず心が動くまま“わたしたち”の人生を歌っていってほしいなと出しゃばりなエールを送りつつ、これから生まれる楽曲たちにも大いに期待しています!
まずはこのプレイリスト・アルバムが、ひとりでも多くの方の特別な1枚になりますように!
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他のJ-POPやアイドルグループの歌と違って、徹底的にボーカルの音圧やエフェクトが抑制されてるでしょ。おもしろいなって。意志を感じますよね。声も楽器の1つみたいな。 サウンドの嗜好にこだわりがあるのよね。
「Confession」すごく好きなナンバーですね。このジャジーなアプローチ。ジャジーって書いてますけど、そんなわかってるわけじゃないんですけどね。なんとなく。こういうピアノの使い方、すごく好き。でも、もっと打楽器のように使ってもいいかな。もっとリフとして使っていいかな。ならばメロディーはもっと強く、歌はもっとエモーショナルにってなる。でも、そこをcallmeはあえて抑制する。 徹底的に全体のバランスを意識するわけ。 やっぱさ意志を感じるわけ。
ライブはどうしてるんだろ。観客はフィジカルな楽しみ方をするんだろうか。気になります。ストリーミングで聴かれるガールズグループ。
近年はフィロソフィーのダンスとか僕は大好きだけど、あそこまでソウルフルではない。ライブ想定のシンガロングしやすいフックがあるわけでもない。あくまでもこの楽曲の完成度を高めるんだってこだわりをとても感じるのです。明らかにこの国におけるニュータイプのポップスの在り方の一つ。頼もしいと思います。ただ自分がリミックスできるなら全然違うやり方するかなぁ。そんなことまで考えさせられる。
ポップスとして2度も3度も楽しめる。 あとはアンセムでしょ。これっていう代表曲。 そろそろ出そうだよね。引き続き一リスナーとして楽しみに待ちたい。
大谷ノブ彦(DJダイノジ)
https://twitter.com/dnjbig
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Spotifyをはじめとするストリーミングサービスで楽曲を配信するとはどういうことか。
レコード会社にしてみれば、縮小していくCDの売上に代わる新たな収益源か。リスナーにとってみれば、膨大な楽曲が月/1,000円程度(あるいは無料)で手に入る最高のライブラリか。それはいずれも正しく、双方に明るい未来が待っていると俺は思う。
でもSpotifyの本当にすごい部分は、世界中の楽曲とアーティスト、そしてリスナーがネットワーク理論におけるノードのように干渉し合って情報を交わらせ、聴かせるべきリスナーに楽曲が届けられること、未知の楽曲にユーザーが出会う機会が与えられるという仕組みだ。日本という狭い島国の市場をぶち破って、世界中の楽曲とユーザーが繋がって存在するプラットフォームだということだ。それこそが、アーティストにとってSpotiyを利用する理由になる。
最初っからズレっぱなしに見えるけど、これはちゃんとcallmeのレコメンドだ。
callmeが今回リリースしたアルバムは、最初っから俺がつらつらと書いた上記のことなんて、全部分かっていて、自覚的につくられている。無国籍だけど身体的で高揚感のあるダンスサウンドと、世界からも年々その注目を集める"日本のガールズユニット"という様式の組み合わせ、さらにRemix陣には海外のリスナーからすでに絶賛されるAiobahnや有機酸、Chocoholicを起用。隙がない。オリジナルもRemixも、『Please callme! -20152018-』に収録された楽曲が一貫しているのは、遠いどこかの行ったこともない国のクラブで鳴らされていてもまったく不思議ではない作品であるということ。
callmeが見据える世界の射程はとても遠くみえるけど、そんなことない。Spotifyがある現代においては目の前に在る。それは多くの同時代を生きるクリエイターが見習うべき姿で、この作品は世界中の音楽好きに届くべきアルバムになっている。
(米村智水:KAI-YOU CEO)
http://kai-you.net